2009年上期は8%以上減少するがその後は回復する、とIDCは分析している。
調査会社米IDCは3月5日、世界のPC出荷台数に関する調査報告書をまとめた。2008年第4四半期の出荷台数は前年同期比1.9%減となり、5年連続の2けた成長の記録は中断された。
現在の経済状況が続けば、2009年上期の出荷台数は前年同期比8%以上の減少となり、その後徐々に回復して、第4四半期にはプラスに転じる、とIDCは予測している。2009年通年では、世界のPC出荷台数は前年比4.5%減になる見通しという。
現在が近年まれにみる大規模な金融危機にさらされているのは確かだが、PCは過去の経済危機時に比べ、生活にとってはるかに重要で、価格も大幅に低下しているため、厳しい状況下でもそれほど犠牲にされることはないと同社は分析する。
PC市場は昔と比べ、新規購入よりも買換え需要で占められている。2001年の景気後退前の5年間における年間PC出荷台数の平均増加率は18.8%だが、今回の景気後退前の5年間では同13.6%だった。この5年間の緩やかな成長率は、既存PCの買い替え時期が迫っていることを意味するとIDCは見る。またノートPCなどのポータブルPCの市場シェアが、2000年の20%以下から2008年には50%まで上昇している。ポータブルPCは一般にデスクトップよりも寿命が短いため、買い替え需要がさらに促進されるという。
今日のPC市場は、過去と比較して大きくグローバル化している。2000年には、米国がPC出荷台数の約37%を占め、日本を除くアジア太平洋地域、中南米、東欧、中東、アフリカ、カナダなどの市場の占める割合は30%以下だった。しかし2008年には、米国のシェアは23%へと下がり、その他の市場が49%に上昇している。
中南米、東欧、中東、アフリカなどの新興国市場は、今回の金融危機で大きな打撃を受けた。そのためIDCは、これらの市場のPC出荷台数については、今後3四半期は2けた減となるとみている。
IDCは、PC市場が乱高下しているのは確かだが、PC価格の下落など複数の理由により、2001年の景気後退時ほど打撃は大きくなく、またほかの業界と比べるとそれほど打撃は受けていないとしている。
地域 | フォームファクタ | 2008 | 2009* | 2010* | 2011* | 2012* | 2013* |
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米国 | デスクトップおよびx86サーバ | 34.2 | 29.0 | 26.0 | 24.5 | 23.5 | 23.0 |
ポータブル | 34.1 | 33.3 | 35.5 | 40.5 | 44.3 | 47.6 | |
PC合計 | 68.3 | 62.3 | 61.5 | 65.1 | 67.9 | 70.6 | |
米国外 | デスクトップおよびx86サーバ | 118.5 | 104.4 | 105.3 | 110.1 | 115.1 | 119.4 |
ポータブル | 108.3 | 115.3 | 134.1 | 165.1 | 196.8 | 229.4 | |
PC合計 | 226.8 | 219.7 | 239.5 | 275.2 | 311.9 | 348.8 | |
世界全体 | デスクトップおよびx86サーバ | 152.8 | 133.4 | 131.3 | 134.6 | 138.7 | 142.4 |
ポータブル | 142.4 | 148.6 | 169.6 | 205.6 | 241.1 | 277.0 | |
PC合計 | 295.2 | 282.0 | 300.9 | 340.3 | 379.8 | 419.4 | |
資料:IDC Worldwide Quarterly PC Tracker(*は予測) |
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