BIに新機軸、米QlikViewが日本上陸インメモリで高速処理

BIツールを提供する米QlikTechは日本市場に本格参入すると発表した。3年後までに売上高1000万ドルを目指す。

» 2009年03月11日 08時00分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを提供する米QlikTechは3月10日、都内で記者発表会を開催し、日本市場に本格参入すると発表した。HDDではなくインメモリ形式によるBIツールを提供しており、VOLVOや3Mなど92カ国に1万社を超えるユーザー企業を抱える。高速処理を実現する新アーキテクチャとして売り込み、日本市場で3年後までに1000万ドル(約10億円)の規模にまで売上高を拡大する考えだ。

ビョークCEO。元々はスウェーデン企業で、現在は米国に本社を置く

 来日したQlikTechのラース・ビョークCEOは「年間売上高の平均成長率が63%を超えている」と業績の良さを強調する。QlikTechの主力BI製品であるQlikViewは「Excelなどの表計算ソフトと、Cognosなど従来の本格的BIツールとのギャップから出現した」と説明する。

 特に、これまでの大規模導入BIプロジェクトについて「構築に平均で17カ月もかかり、プロジェクトにおいて“成功”と認知されている率がわずか35%しかない」とこき下ろした。QlikViewの場合は、導入に平均で10日で済むとしている。

 自信の根拠は、インメモリによる高速処理だ。数億件の明細書に対して、インメモリ型なら中間集計なしで直接分析処理ができるという。従来型のBIでは、数億件のデータからキューブと呼ぶ集計単位をつくり、その単位に対して分析をする必要があった。ここで、中間集計を担当するのが情報システム部門である場合が多い。業務ユーザーは必要な分析データを取得する際にどうしても情報システム部門を介さなくてはならず、「結果として使わなくなってしまう」という。

 日本では、サイロジックが総販売代理店契約を提携しており、QlikView Japanとして活動する。すでに、アシスト、CSKシステムズ西日本、日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェアの3社が再販契約を締結している。

 BIツールは、大企業には既に普及していることに加え、MicrosoftやOraleといった大手データベースベンダーが標準機能として組み込む動きも出てきている。新たな付加価値としてユーザーにアピールするには、販売代理店などのチャネル戦略の強化が求められそうだ。

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