JP1一問一答・PCのセキュリティ対策実施状況を確認したいシステム管理者へのお助けTips

クライアントPC側のセキュリティ対策を確認するために、すべてのPCをチェックしてまわるのは現実的な手段ではない。クライアントPCで実施しているかを効率的に確認するにはどうすればよいだろうか。

» 2009年03月19日 16時00分 公開
[友成文隆(日立製作所),ITmedia]

ユーザインベントリを利用し、クライアントPCのセキュリティ情報を確認する

 JP1/NETM/DMは、遠隔地のPCの情報を収集する機能を提供している。PCから収集する情報は、インベントリ情報と呼ばれる。JP1/NETM/DMで管理できるインベントリ情報は大きく分けて「ハードウェアインベントリ情報」「ソフトウェアインベントリ情報」「ユーザインベントリ情報」の3種類となるが、今回はユーザインベントリについて解説する。

対象製品:JP1/NETM/DM

設定方法

 JP1/NETM/DMでは、ハードウェアインベントリやソフトウェアインベントリでは入手できない情報について、クライアントPCの利用者に問い合わせて入力してもらうことができる。

 ユーザインベントリの一般的な利用方法としては、クライアントPCの物理的な設置場所を特定するための情報やクライアントPCを利用している利用者本人に関する情報(所属、氏名、従業員番号、電話番号、など)を取得することなどが考えられる。このユーザインベントリ情報の収集機能を、クライアントPC自体ではなく、クライアントPCを使う人のセキュリティレベルを調べるために使うことができる。

 例えば、クライアントPCの利用者に対して、どうしても守ってほしいセキュリティポリシーの確認項目を提示し、会社の順守内容を入力してもらうといった使い方が可能だ。

項目作成画面

 項目設定ダイアログで、利用者に確認したい内容を定義する。

項目設定ダイアログ
  • テキスト入力 自由に文字列を入力可能
  • 選択入力 選択肢の中から、適切な内容を選択
  • 選択入力 (テキスト入力も可) 選択肢の中から、適切な内容を選ぶか、自由に文字列を入力可能

「項目を必須入力とする」をチェックすると、利用者が内容を入力するまで入力ダイアログが閉じられないため、利用者に入力を強制できる。

 この例では、選択肢として、必ず守ってほしい内容1つに絞ってあるため、利用者はその唯一の選択肢を選ぶことになる。

ユーザー情報の設定

 企業内のセキュリティポリシーを社員全員に徹底させるためには、セキュリティポリシーの存在を示し、内容を伝え、確認(同意)してもらい、その記録を残すことも重要だ。

 別の利用方法としては、簡易テストの方式で、社員のセキュリティ理解度をチェックするといった使い方もできる。

 項目に設問、コメントに補足説明、入力内容として複数の選択肢を定義し、クライアントPCの利用者が設問に対して、複数の選択肢の中から最適なものを1つ選んで回答し、その成否から理解度をチェックできる。このような確認を定期的に実施することは、社員教育を定期的に行うのと同じように、社員全員のセキュリティ意識を高いレベルに維持する効果が期待できる。このようにして、クライアントPCの利用者が入力した情報は、JP1/NETM/DM Managerの管理画面で確認することが可能だ。

システム構成ネットワーク確認画面

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