Wall Street Journalの記事で一番インパクトがあったのは、やはりSunが売りに出していたということです。この買収が実現するかはまだ分からないと思いますが、「HPは断った」などとの記述から、売りに出していたことは間違いなさそうです。
HPがSunを買収する日という記事を書いたばかりということもありますが、IBMはないと思っていました。文化があまりにも違うからです。東海岸のIBMと西海岸のSunという地理的な違いといえるかもしれません。エスタブリッシュとオープン、フォーマルとカジュアルとも表現できるかもしれません。
もし実現したら、Sunという会社は事実上消滅するでしょう。なくせないのはSolarisくらいですが、それもAIXと一緒にすればいいのかもしれません。Sun FireやSPARCのユーザーにはかなりの影響があるでしょう。企業にとって心臓部分のハードウェアですので、今後のサポート状況などに不安を持つはずです。
IBMの目的は、顧客ベースの獲得に尽きるでしょう。SunにはSolarisを導入している名だたるユーザーがいます。クラウドの時代になると、ユーザーを抱えていること自体が意味をもちます。クラウドに向けての勝負かもしれません。
もう1つ気になるのは、Sunと富士通の関係です。両社は「運命共同体」として、製品を共同開発しています。単なる販売代理店契約とはわけが違います。富士通、これまでのSun、IBMの間でねじれ現象が起きるわけで、複雑な状況になるでしょう。(談)
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