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» 2009年03月20日 06時00分 公開

ソリューション探訪:社外に出たMS Officeドキュメントをコントロールする (1/2)

得意先やパートナー企業とのコラボレーション作業で、どうしても気になるのが、競合企業には知られたくない情報を含んだ文書の取り扱いだ。信頼関係を損なわず、安全に重要情報をやり取りするにはどうすればいいのだろうか。

[大西高弘,ITmedia]

結局は相手次第の文書管理

 製品開発や大型プロジェクト案件にとどまらず、他社とビジネス文書のやりとりをする場合、どうしても気になるのが得意先やパートナー企業から、自社の重要情報が漏えいするのではないか、という問題だ。個人情報が漏えいした場合はどこかで明らかになって対処を迫られることになるが、競合会社には見られたくない、知られてはならない情報の場合は、漏えいしたことさえ気づかないことがほとんどだろう。

 こうした問題への対策として、まずはやりとりする文書ファイルに暗号をかけることが考えられる。しかし、一度相手に渡してしまった文書ファイルを後から閲覧できないようにするといったコントロールを実施することは難しい。

 現実問題として、社外に出てしまった文書はどう扱われ保管されるかは、相手次第ということになる。例えば、自社にとっても、情報をやりとりする相手先にとっても漏れては困る文書であれば、双方でしっかりと管理することが想像しやすい。しかし、自社にとっては重要でも、相手先にとっては直接的に重要性が感じられない情報の場合は、印刷をされたり、別の会社に流れてしまう可能性はある。信頼関係をよりどころとしていたとしても、確実に消去してもらえるかどうかは分からない。

 この信頼関係というのも、ケースによってはリスクになる。文書の中身の扱いについてあまり言及しすぎても「こちらを信用できないのか」と思われてはいけないと、どうしても甘い言い方で注意を喚起するにとどまることがあるからだ。

情報は武器だがさらけ出すわけにもいかない

 ある投資コンサルティング会社でこんな話を聞いた。その会社は無名だが医療や通信分野などで、将来有望な技術を持っている企業を探しだし、投資してくれそうな別の企業に話を持ちこんで事業会社を設立し、利益を得るビジネスを進めていた。当然、話を持ちこむときは、まだパートナーになってくれるかどうかは分からない。しかし、だからと言って投資先企業の技術について「ここはまだ秘密、それについてもまだ言えません。投資してくれると約束してくれれば明らかにします」などと言っていては、相手にしてもらえない。ある程度のリスクは覚悟しながら、技術を持っている企業と相談を重ねてどこまで明らかにすればいいかを明確にして、投資企業に働きかけていくわけだ。

 このようにして商談を進め、よい感触が得られた場合などは次第に相手が確認したい技術の内容などの資料を電子メールで送るようになる。ただしクライアント企業から「これだけは電子文書として渡してほしくない」と指摘された情報については、ミーティングなどで、印刷したものをスポンサー候補企業に直接見せ、終了すると回収するという方策をとることもあったという。

 投資コンサルティング会社などにとっては、情報の扱い方でクライアントから得られる信頼度が良くも悪くもなる。このように、自社ではなく他社の重要情報を扱い、その重要度を最初からはさほど認識しにくい相手先とビジネスを進めるというのは、かなり神経を使う仕事だし、経験がものをいう。クライアント候補企業を説得する決め手となるのは、何といってもその技術がどれだけ有望かどうかだが、それを示すための情報をいきなりさらけ出すわけにもいかない。

NECビッグローブが提案するコントロール術

 例に挙げた投資コンサルティング会社以外にも、会員限定コンテンツを配信していたり、価格表など鮮度が重要になるコンテンツを配布しているケースなど、社外に出したコンテンツ、ドキュメントなどを管理したい企業は多い。管理することで、自社を守るだけでなく、信頼度を高め、新しい顧客開拓にも役立つからである。

 こうしたニーズを持つ企業がまず考えることは、重要文書の管理はたとえ相手先に渡していても、自らがコントロールするしかないということだ。外部に出した文書をコントロールする方法にどんなものがあるか、それは、相手先がオンラインでのみ操作できるようにするということになる。この方法でドキュメントをコントロールするサービスがあるというので、NECビッグローブに話を聞くことにした。

 同社が展開している「ビッグローブドキュメントコントロールサービス」がそのサービスだ。PDF文書にポリシーを付与することで、他社にドキュメントを渡した後も閲覧や印刷などに関する管理を実行することができる。

「ドキュメントコントロールには今後さまざまなニーズが生まれるはず」と語るNECビッグローブの福嶋正晃マネージャ

 ビジネス事業部 基盤ソリューショングループの福嶋正晃マネージャは次のように語る。

 「このサービスはAdobe社が提供する『LiveCycle Rights Management ES』という技術を活用したものです。このサービスを利用すると、PDF文書ごとにアクセスに関する権限を設定します。取引先のAさんにあるPDF文書を送るときに、Aさんに対するIDとパスワードを設定し、印刷ができるか、いつまで閲覧することができるかなどの条件設定ができます。そしてAさんがどこかでその文書を開くときは、IDとパスワードを入力すると、そのPDF文書から問い合わせをメッセージが当社のサーバに送られ、認証が行われた後、サーバが許可を出すことで始めて操作することが可能になります」

 つまり、オンラインで個別の文書が自らに設定されたさまざまな条件を問い合わせ、その条件に合致していなければ、操作ができなくなるということだ。

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