報告書の自動生成で実現した「顧客満足度の向上」コールセンターの業務改革(1/2 ページ)

衛星放送局WOWOWの子会社としてコールセンター業務を請け負うWOWOW コミュニケーションズは、顧客に提出する報告書の作成など業務データの抽出、整理、加工の時間を短縮したいという課題を長年抱えてきた。その課題を解消したのがインフォテリアの「ASTERIA」だ。

» 2009年03月24日 14時28分 公開
[杉浦知子,ITmedia]

専門性が高いコールセンターシステム

 WOWOWコミュニケーションズは、衛星放送局WOWOWのカスタマーセンター部門が分離独立して設立された。親会社であるWOWOWをはじめ、多数の顧客のテレマーケティングを受託、順調な成長を続けている。

 「コールセンターのシステムは幅広く専門的」と話すのは同社のシステムを担当している、ICTシステムDiv. WebソリューションサポートUnitの伊佐圭司氏だ。伊佐氏の話す通り、同社が抱えるシステム群はCRMやPBX、音声の録音、品質の管理といった専門システムのほかに、経理やグループウェアといった業務管理システムまで幅広い。より高度なサービスを提供していくためには、まずこうしたシステム間の連携をより密にしていき、顧客満足度を上げていく必要がある。こうした取り組みをいかに迅速に、低コストで進めていくか、同社にとってそれが長年の課題だった。

工数・時間が掛かりすぎていた報告書作成

 同社では、毎朝コールセンター業務を受託している顧客に対して、前日の業務の報告書を提出している。報告書を作成する際、各システムから必要なデータを抽出し、Excelを使って手作業で集計していた。「どうしても手作業が中心になるので、集計作業に毎日3時間も費やしていた」と、ICTシステムDiv.の小笠原徳夫Div長は振り返る。

「高度なサービスを実現するためにシステム連携は不可欠」と語る伊佐圭司氏

 この報告書の作成を担当していたのが、1人当たり10人から15人のオペレーターを統括する各スーパーバイザーだ。スーパーバイザーの本来の仕事は、オペレーターの業務全般のサポートを含めた管理業務である。しかし、報告書作成に大幅な時間を費やされ、本来の管理業務にかける時間が圧迫されがちだった。そうした状況を少しでも緩和するために、報告書作成を専門とする職員を養成するなど対策を打っていたが、対処療法に過ぎず、抜本的な改善が必要とされていた。

 そもそも、報告書作成に多くの手間がかかってしまう原因は何なのか。小笠原氏は次のように説明してくれた。

 「報告書と一口に言っても、単純にいつも同じパターンを作成すればいいというものではありません。お客様ごと、あるいは同じお客様でも部署ごとにさまざまな切り口のデータをご覧になりたいという要望を持っています。その要望に応じて、『数値AとBとCを合計した報告書』を作成したり、『AとDとGの合計をFで割った報告書』を作成したりといった具合に、それぞれに計算する数値が異なるわけです。もちろん、多様な要望にできるだけ時間や手間をかけずに応えていかなくてはならないのは当然です。どんな要望でもすぐさま各システムから必要なデータを取り出し、手作業をできるだけ省いてドキュメント作成できるようにしなくてはならない。そこで乗り越えなくてはならなかったのが、各システムのデータやファイルの連携をどうするか、という問題でした」

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