がんばれ日立伴大作の木漏れ日(3/4 ページ)

» 2009年03月25日 17時21分 公開
[伴大作(ICTジャーナリスト),ITmedia]

7年保証

 今回の発表の最大の目玉に7年間の保証がある。IA(インテルアーキテクチャ)サーバが市場を席巻してきた理由の1つに安さがある。重ねて、性能が日々向上するため、製品の陳腐化が早く、その結果、製品のライフサイクルも自ずと短くなってしまった。

 IBM、HPが同じような発言である「新製品の早期投入」が目立つのはそのためだ。特にCPUの高性能化はシステムを供給するベンダー、それを使ってシステム構築を行うシステムインテグレーター、エンドユーザーに一種焦りに似た感情を持たせてしまう。

 システム構築からテスト、本番運用のための展開には一般に2年程度を要する。過去の経験から5年保証では、次のシステムへの移行を考えた場合、あまりに時間がなさ過ぎるというもので、これはまさしく正論だ。日立が大企業の大きなシステムを得意としてきたいきさつを考えると当然の判断だといえよう。

 これに関しては、それに用いられるOSとかアプリケーションがほぼ5年のサイクルで大きな変更が行われる現状について、不満の意をかなり明確に示した勇気に敬意を表する。

 当初は異端児のように扱われていたPCサーバが性能や機能、信頼性が向上したことにより、企業の主要な業務に用いられるようになった。現在、ユーザーもかなり多額の投資を行うのだから、ベンダーもしくはベンダーに部品を提供する企業にそれなりの覚悟が必要になる。

 その点で、今回の判断は評価に値する。反面、技術の進化がスピードダウンするとは考えにくい。その場合の対策が見えてこないことに一抹の不安が残る。

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