ネットアップ、ストレージ管理ソフトウェアの最新版を提供開始運用管理コスト削減

ネットアップは、アプリケーション環境のデータのバックアップ/リカバリや災害復旧などを自動化するストレージ管理ソフトウェア製品群「SnapManager」の機能を強化した最新版の提供を4月2日に開始した。

» 2009年04月03日 05時33分 公開
[大西高弘,ITmedia]

機能強化されたデータ統合管理ツール

 今回、機能強化したのは、Oracleデータベース対応版「SnapManager for Oracle」、SAP対応版「SnapManager for SAP」、Microsoft Office SharePoint Server対応版「SnapManager for Microsoft Office SharePoint Server」の3製品。機能強化された3製品はそれぞれ「SnapManager for Oracle 3.0」、「SnapManager for SAP 3.0」、「SnapManager for Microsoft Office SharePoint Server 2.0」と呼ばれる。

 これらの製品は、もともとデータの統合管理を実現するためのツールだ。データ統合管理をアプリケーション、データベースの各レイヤからストレージ管理担当者の手を借りずに実行することができる。

 SnapManager for Oracle 3.0では企業情報資産データの増大により、Oracleデータベースの負荷が増す中、データベース担当者がGUI画面でバックアップ/リカバリ、クローニングなどストレージの各種機能の設定を自動化し、管理の負荷を低減させることができる。今回新たに、データ保護環境の一元管理用画面を提供する「Protection Manager」との連携を果たしたことで、レプリケーション(複製)ソフトウェア「SnapMirror」やリモートバックアップ用ソフトウェア「SnapVault」と組み合わせ、Oracleデータベース環境における災害復旧対策が可能となった。

 SnapManager for SAP 3.0は、SAPのアプリケーション統合基盤であるSAP NetWeaver環境におけるデータを、SAPのBRTOOLSと連携して、バックアップ/リカバリ、クローニング、ディザスタリカバリを自動化するSAP認定のソフトウェア。SAPデータ量の増加により、IT管理者は複雑なスクリプトを駆使したデータ運用管理に追われている。この製品は煩雑で複雑なバックアップ/リカバリのプロセスを自動化するため、ストレージの専門知識を有していない場合でも、簡単に各種機能を設定することができる。今回のバージョンより、ネットアップ独自の仮想クローン機能「FlexClone」技術との連携が可能となり、開発・テスト環境用にシステムコピーを容易に作成し、SAPソリューションの実装、アップグレード、メンテナンスパッチを瞬時に実行することができるようになった。

「ストレージ管理が統合データ管理のボトルネックにならないように気配りが必要だ」と語るネットアップの阿部恵史ソリューションマーケティング部部長

 SnapManager for Microsoft Office SharePoint Server 2.0はMicrosoft Office SharePoint Server 2007環境におけるデータのバックアップ/リカバリ、ディザスタリカバリ、およびアーカイブを自動化するソフトウェア。Microsoft Office SharePoint Serverの導入が拡大するなか、例えば分散したサーバに格納されたデータが増えデータの断片化が生じ、これらのデータを統合管理するためのリソースが大きな課題となっている。SnapManager for Microsoft Office SharePoint Server 2.0はストレージの割り当てや領域変更などの操作を、Microsoft Office SharePoint Serverと連携して実行するので、データごとのポリシーをWizard形式で簡単に設定できる。さらにストレージの効率性を向上させるとともに、運用の複雑性やコストを削減することができる。今回の機能強化版からは、新規に作成されたデータや保護されていないデータを自動で検知し、ビジネス上重要な情報をバックアップするだけでなく、リテンションポリシーに沿って適切にアーカイブすることが可能となり、さらに信頼性の高いデータ管理基盤を構築することができる。さらに「Protection Manager」と「SnapMirror」との連携を果たしたことで、SharePoint Server上のデータの災害対策を、複雑なスクリプトで設定する必要がなくなった。

ストレージ管理を他の担当者で回す

 一般に企業のIT担当者の中で、専任のストレージ担当者というのは少なく、兼務者のケースがほとんど。別の業務もこなしながら、アプリケーションやデータベースの担当者から、プロビジョニングやバックアップ、リカバリなどの依頼を受け対応していることが多いという。

 ネットアップの阿部恵史ソリューションマーケティング部部長は、次のように語る。

 「各レイヤで生じるデータは増加する一方で、これらを正しく保全し管理することは重要性を増すと同時に、管理コストの増大要因にもなっている。一方、昨今の経済状況の影響で、ストレージ管理をアウトソーシングしていたが、自社内で管理する体制をとリ始めた企業も出てきたようだ。こうした状況の中で、システム全体のパフォーマンス低下を防ぐべく、バックアップなどデータ保全作業は後回しにはできない。ストレージ管理の操作は、誰にでもすぐにとりかかれる作業ではないが、ツールによって作業を簡便にしていけば、アプリケーションやデータベースの担当者が行えるようになる。そのことが、一連のデータ管理業務のスムーズな運営を助けることにつながる」

 また阿部氏はネットアップの統合データ管理ソリューションの特長として、同社が開発したData ONTAPというOS上で機能することを挙げた。これにより、各レイヤで機能するツール群が、システムの変更などの影響を受けることなく、データ管理のサイクルを回し続けることが可能になるという。

ネットアップのソリューション構成

 SnapManager for Oracle 3.0、SnapManager for SAP 3.0、SnapManager for Microsoft Office SharePoint Server 2.0それぞれの参考価格は、税別で153万9000円、192万4000円、121万1000円。

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