Sun、「Nehalem-EP」搭載サーバ披露へ新データセンター戦略も

Sun Microsystemsは4月14日開催のイベントにおいて、IntelのXeon 5500番台搭載サーバを披露する。このイベントでは、新データセンター戦略「Open Network Systems」も発表される予定だ。

» 2009年04月13日 13時58分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 米Sun Microsystemsは4月14日、Intelの新しいクアッドコアプロセッサ「Nehalem-EP」搭載サーバを披露するとともに、「Open Network Systems」と呼ばれるデータセンター構想を発表する予定だ。これらの発表は、ラスベガスで開催されるイベントで行われる。

 SunのWebサイトに掲載された発表に関する告知によると、一部のHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)ユーザーは既に、Intelの「Xeon 5500番台」(コードネーム:Nehalem-EP)プロセッサを搭載したSunのブレードサーバを使っており、4月14日のイベントの後には同チップで動作するシステムの本格出荷を開始するとしている。

 Open Network Systemsというデータセンター戦略に関する詳細は不明だ。Cisco SystemsHewlett-Packard(HP)などの競合企業は、仮想化などの手法を利用することによって、データセンター内でサーバ、ストレージ、ネットワーキング機器の連係をより緊密にする構想を打ち出している。

 Intelは3月30日に、Nehalem-EPチップ/マイクロアーキテクチャを発表した。Nehalem-EPは2ソケットシステム向けで、DellHP、IBM、富士通、Rackable Systemsなど多数の大手・中小システムメーカーが同プロセッサを搭載した新サーバあるいはアップグレードサーバを発表した。Appleも1週間後に、Nehalemを搭載した「Xserve」システムを発表した

 Nehalem-EPの発表は、Intelの新アーキテクチャの段階的発表の一部となるもの。ハイエンドPCおよびワークステーション向けの「Nehalem」プロセッサは、2008年秋に発表された。また、4個以上のソケットを備えたサーバ向けの「Nehalem-EX」は今年中に発表される予定だ。

 Intel幹部はXeon 5500番台の発表会で、新アーキテクチャはパフォーマンスとエネルギー効率を改善すると同時に、電力、冷却、設置スペースに関連するコストを削減すると述べた。

 同プロセッサでは仮想化関連機能が改善されたほか、チップ同士をダイレクトに接続するインターコネクト技術、およびライバルのAMDがOpteronプロセッサで採用しているデザインに似た統合メモリコントローラが搭載されている。

 SunとIntelは、Nehalemアーキテクチャ用にSolaris OSを最適化する作業でも協業した。これは2007年に発表された両社の提携の主要な目標である。

 Sunによると、SolarisはNehalemアーキテクチャの新しい命令セット、ならびに「QuickPath」(チップ間インターコネクト技術)や「Turbo Boost」(速度改善技術)などの機能を利用できるように最適化されているという。Turbo Boostでは、要求に応じて個々のコアのクロック速度を高めることができる。

 さらにSolarisは、Nehalemで改善されたマルチスレッディング技術に対応するよう強化されたという。

 SunのZFSファイルシステムも新プロセッサにおけるパフォーマンス改善に適しているほか、Solaris/OpenSolarisの「Power Aware Dispatcher」(利用率の低いプロセッシングコアの消費電力を抑制する技術)は、Xeon 5500番台チップのエネルギー効率改善機能を高めると同社幹部は説明する。Solarisに組み込まれているSunのトラブルシューティングツール「DTrace」およびCPUの利用率を監視する「PowerTop」機能も、Xeon 5500番台のエネルギー効率改善機能をさらに高めるという。

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