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» 2009年05月07日 08時00分 公開

「脱KY」を図る情報コントロール術:場の管理をマスターし、目指せオフィス潤滑油! (1/3)

会社の業績がかんばしくないと、オフィスの雰囲気も沈みがち。ややもすると、指示がうまく伝わらないだけでなく、関係部署と険悪になってしまうことすらある。それを防ぐためには「場のデザインのスキル」が重要になってくる。なぜなら人はコンピュータと違って「命令を忠実に実行しない」ものだから――。

[野水克也(サイボウズ),ITmedia]

相談は突然に

 「あのさ、相談があるんだけど」

 ある晴れた昼下がり。出先でのミーティングを終えた私の携帯電話が鳴って、出てみたら昔の同僚、A夫の懐かしい声。

 まったく違う業界から、IT業界へ転職してもう10年になる。そこそこいい歳(ちなみに私は43歳)になっているので、たまには最先端の情報を落っことすこともあるけれど、異業種の友人たちから見れば、私は立派な「ITフリーク」らしい。

 おそらくは例によってIT関係の相談だとは思うが、打ち合わせで私を遥かに凌駕したITフリーク様と格闘して疲れていた私には、昔の友人との語らいで頭をほぐすには、いいタイミングのお誘いである――。


イラスト:本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ

わたし 昼ごはんは食べた? まだだったらいっしょにどうだ?

 ……ということで、ちょうど会社への帰り道にあった友人の会社の近くの店に入った。

A夫 いやあ、実はね。ウチの会社、ここんとこ業績が悪くてさあ。

 転職の相談だろうか? 彼には悪いが、そいつは受けられない。業績が厳しいのは決してひとごとではないのだ……。

A夫 それでね、いろいろと社内で自分なりに工夫して改善案を出してはいるのだけど、社内の空気がだんだん悪くなって困っているんだよ。おまえんとこ、グループウェア売っている会社だから、うまいコミュニケーションのやり方知らないかな、と思って。

 確かにグループウェアを売っている会社に勤めてはいるが、わたしは前職では喧嘩っ早いので有名だった。そんなわたしに相談を持ちかけるなんて、よほど困っているのだろうか。

わたし 空気が悪いって、例えばどういうところでそう思うんだ?

 今の職場に転職して10年、何も知らない異業種に入れば、わたしの性格もそれなりに丸くなる。昔なら「んなもの気にしてどうすんだよ。かまわずブイブイ行けばいいのさ!」と一蹴するところだが、「最近の若い人」が多い職場では、そんなことしようものなら大変なことになってしまう。

A夫 そうだなあ、うまく言えないんだけど、掲示板とか見てるとさ。会話が寒いって言うか、みんなポジティブじゃないんだよ。

……困った。事実が分からないパターンでは、アドバイスのしようがない。感想に感想を重ねて返しても、たいがい的外れな指摘に終わってしまうのは見えている。

わたし 一般論だけど、文字だけのコミュニケーションは冷たいものになりがちだ。理由は分かるかい?

A夫 う〜ん、顔を見て話さないから? それとも表情が分からないからとか?

わたし そのとおり、聞いた話では、文字で伝えられる情報量は、会って話す場合に比べて25%程度の情報量しかもっていないそうだよ。で、どういう情報が欠落するかといえば、それは定量的なものではなくて定性的な情報なんだ。雰囲気とかそういうもの。

A夫 だけど、これまではそんなことなかったんだよ。電子掲示板でのやり取りでも、まあうちの会社はそんなに頻繁に会話が発生するわけではないけど、それなりに前向きな発言が多かったんだけど、最近は社長とかがたまに『今日の一言』なんかを書くと、掲示板ではだれもレスを返さなくって、あとで課の会議を開くと、みんなブーブー文句を言うわけよ。以前だったら多少強引な言葉を書かれても、まあ社長の言うことだからと最終的には納得していたんだけどね。

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