現場で効くデータ活用と業務カイゼン

「DBってカンタンなんだ」という意識を共有したい――ファイルメーカー粟倉氏Bento for iPhoneで裾野を拡大(2/2 ページ)

» 2009年05月25日 08時00分 公開
[岡田靖,ITmedia]
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DBユーザーの裾野を広げるBento、iPhone版

――開発しやすいのであれば、開発コストも抑えられるのか。

粟倉 あるユーザーの事例ですが、数百人が情報を共有するためにSQLベースでデータベースを構築しようとしたとき、SI側の見積もりは数千万円に上ったそうです。これでは高すぎるということで、またミッションクリティカルな要件ではなかったこともあり、FileMakerをベースにを使うことにして再提案が行われました。結果、劇的にコストを引き下げられたそうです。

 一般的には、FileMakerといえば多くても数十人程度で使うもの、というイメージがあるかと思いますが、手軽に導入できるからといって、ユーザー規模が制限されるものではありません。大規模なユーザーでも使っているという例を、もっと示していくことが大切だと考えています。営業やマーケティングのスタッフには、もっと大規模ユーザーの事例をたくさん出していこうと指示しています。

 個人的には、ユーザーにシステム要件を書かせるというIT業界の慣行は、業界がまだ未成熟だということを示していると考えています。かつてわたしは要件管理ツールを提供するベンダーに在籍し、その重要性を訴えてきましたが、FileMakerは逆説的に、「作りながら見せられる」という、非常に大きなメリットを持っているのです。

 パートナーとしては、現在56社がFBAプログラムに参加してくれており、この数字は増えていく見込みです。各社とも、特にワークグループで利用されるケースについて豊富な経験を持っています。一方、より大規模なユーザーでは、パートナーにも十分な企業体力を要求されることが多いので、よりエンタープライズ層へのSI実績のあるパートナーとも関係を深めていきます。

――「Bento for iPhone and iPod touch」の位置付けは。

粟倉 iPhone版は、通常の(Mac版)Bentoとの連携もさることながら、スタンドアロンでもかなり使える機能を備えています。

 FileMakerがより大規模なユーザーを目指していく方向性なのに対し、Bentoは個人でのデータベース利用を拡大し、ユーザーの裾野を広げていくことが目的です。iPhone版を加えることには、そのBentoをもっと手軽に使えるようにするという狙いがあります。当社はデータベースのグローバルリーダーでもありますから、率先してユーザーの裾野を広げていくべきだという考えもあります。

 ですからユーザーには、Bento for iPhone and iPod touchの機能もさることながら、「こんなところでもデータベースを使えるんだ」と実感して欲しいですね。わたしたちは、データベースを複雑ツールだとは考えていません。その認識をユーザーと共有したいのです。

粟倉氏の趣味はハードロックとサッカー(バイエルン・ミュンヘンの熱心なサポーター)。自宅は浜松にあり、平日は東京で生活している。ハードロックバンドのライブに出かけたり、地元での少年サッカーのサポート活動に参加したりしてワークライフバランスを取っているという 粟倉氏の趣味はハードロックとサッカー(バイエルン・ミュンヘンの熱心なサポーター)。自宅は浜松にあり、平日は東京で生活している。ハードロックバンドのライブに出かけたり、地元での少年サッカーのサポート活動に参加したりしてワークライフバランスを取っているという
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