第一原理分野もスカラーで、NIMSの材料数値シミュレータが本格稼働

国内のナノテクノロジーおよび新規材料研究の拠点であるNIMSの材料数値シミュレータが日本SGIのAltixシリーズで刷新された。理論ピーク性能は52.66TFLOPSで、従来ベクトル型が有利とされていた第一原理分野の計算もスカラーで行っていく姿勢だ。

» 2009年05月28日 15時19分 公開
[ITmedia]

 国内のナノテクノロジーおよび新規材料研究の拠点である独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)で、計算材料科学研究の中核となる材料数値シミュレータが日本SGIのAltixシリーズで刷新された。

 4月から本格稼働を開始しているこのシステムは、アーキテクチャの異なる2種類のシステムを統合したハイブリッド型の並列計算機。インテルXeonプロセッサ5500番台(2.80GHz、1024CPU、4096コア)を搭載したブレードサーバ「SGI Altix ICE8200EX」と、インテルItaniumプロセッサ9100番台(1.66GHz、512CPU、1024コア)を搭載する「SGI Altix 4700」で構成されている。システムの理論ピーク性能は52.66TFLOPSで、従来のシミュレータシステムと比べて理論演算性能が7倍以上向上したという。

 従来ベクトル型が有利とされていた第一原理分野(ナノメートルスケールにおけるマテリアルシミュレーションの計算手法)に対してもスカラー型で臨もうという姿勢だが、NIMSによれば、従来のベクトル機に比べ最大10倍程度の原子数で第一原理シミュレーションが可能になるとしており、ベクトル型からスカラー型への移行が経済性に基づいて行われていることが分かる。

 なお、システムは材料数値シミュレータのほか、フロントエンド計算機、約100テラバイトのストレージシステムが接続されている。クラスタファイルシステムにはLustreを利用。さらに、コンピューティングリソースを管理し、最大限に有効活用するためのミドルウェアとして「PBSProfessional」を採用している。

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