IT用語はウチュウ語?――新人研修に思う悲しき女子ヘルプデスク物語(3/4 ページ)

» 2009年06月09日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

何が分からないのかさえ、分からないことだってあるのに

 だから、ITの専門家だからといって、教えるのが上手かといえばそうでもない。Windows 95 が現役だった頃、“仮想メモリ”と“スワップファイル”の違いがよく分からなくて、型番だけで何でも分かるHさんに聞いたのだけれど、それが失敗の元。当時の、つまりまだまだ初心者のわたしにこう教えてくれたのです。

Hさん 仮想メモリとスワップファイル? それは、ハードから見たか、ソフトから見たかの違いだよ。

 言われたわたしは、ただただ固まっていただけ。分からない、とさえ言えない。それが的を射た説明かどうかでさえ、判断できないのだから。当のHさんはというと、それだけの説明で十分だと判断したのか、固まったわたしを放り出してさっさと仕事に戻ってしまった。Hさんの背中を、「えーっとぉ……」という目線だけで追いかけたことを、今でも覚えているわたし……。

 Hさんといえば、こんなこともあった。

わたし カーネルって何ですか?

Hさん カーネルはカーネルに決まっているじゃないか。

……とステキに一言で返してくれたっけ。でもこれは、まだマシなほう。

わたし ○×△って何ですか?

Hさん んー? そりゃ、あれだよ。

……とだけ返してくれたことも。もう何を聞いたか覚えていないくらい、回答のほうが印象的なのだ。

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