カラオケ特訓で、脱しんみり会議！：ドジっ娘リーダー奮闘記（2/3 ページ）

[小俣光之，ITmedia]

しんこちゃん　ええ？　わたし、決められることは決めたし、仕様も説明したんですけど……（涙目）。

輩田さん　しんこちゃんはこのプロジェクトのリーダーだよね？　なぜこの仕事をやるのか、どんな価値があるのか、成功するとどういう展開が考えられるのか、仕事の背景を説明したかい？　プロジェクトの意味を理解できないと、メンバーは気持ちが入らないものだよ。開発の仕事は気持ちの入り方で出来が大きく変わるからね。わたしは君にそういう説明もしたはずだけど。

しんこちゃん　は、はい。確かに……。

輩田さん　それと、技術的にひっかかりそうな点があると話をしてたね。ハードウェアとの通信かな。

しんこちゃん　はい、そうです。でも営業に確認したんですけど、お客さんに何度か電話したけど、まだ情報をあまりもらってないようなんです。

輩田さん　おいおい、そういうことはすぐにお客さんに確認して、情報をいつまでにもらえるのかめどを付けておかなきゃ。そういうところがプロジェクト全体に大きな影響を与えるものだろ？　それに、そういう交渉はしんこちゃん自身がやらなきゃ。

しんこちゃん　え、そうなんですか。じゃあ明日、電話します。

輩田さん　明日じゃだめ、今すぐやろうよ。それとね、会議の進め方もアドバイスするよ。多数決みたいな決め方は駄目だな。メンバーに意見を出させて議論するのは良いけれど、結論はきちんとリーダー自身が示さなきゃ、責任があるのは君なんだよ。

　それに、雰囲気が暗いんだよなぁ。これから新しいプロジェクトに取り組むぞ！　って時なのに、椅子に座ってボソボソ話をしていては、気持ちも盛り上がらないだろう？　リーダーは立って、大きな声で話して、メンバーの視線を上に向けさせなければ。会議が終わってため息が出るようでは、席に戻っても気合いが入らないぞ。

しんこちゃん　そんな大きな声でポンポン言わなくても……。

輩田さん　カーツ！　泣き言は言わなーい！　リーダーをやるからには、メンバーにもお客さんにも、自信がある雰囲気を見せて皆が安心して仕事できるようにしなくちゃ。君ならできると思ってわたしもリーダーを任せたんだ。自信を持って堂々とやってほしいな。

　リーダーの楽しさや喜びは成功しないと味わえないんだ。それを知らないうちに弱音を吐いてしまっては、一生損するよ。だまされたと思って、本気でがんばってみな。応援するから。

　じゃあ今日は、元気な声を出す訓練のためにカラオケだ！　20時集合、それまでにお客さんに懸案事項を確認して、メンバーに伝えておくこと。久しぶりのカラオケだ、喉がなるなぁ。美しい人生よ〜♪