「OracleによるSun買収後もJavaは生き残る」――ゴスリング氏「Javaの父」に聞くSunの未来(2/2 ページ)

» 2009年06月22日 15時37分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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ゴスリング ええ、期待しています。つまり、将来は間違いなく有望だということです。わたしはソフトウェア企業の一員になるのを楽しみにしています。それにOracleは、われわれの技術について深い知識を持っています。ですから彼らがJavaを大切に思っているのは明らかです。それはさまざまな面から見て取れます。

―― しかしJavaエコシステムの市民としての同社の経歴をどう評価しますか。

ゴスリング 華やかですね。

―― Sunの企業文化の話に戻りますが、Sunは非常にのんびりした社風で知られていますが、それでも互換性に関しては厳格な立場を維持してきました。

ゴスリング 確かに当社はとてものんびりした社風の企業ですが、無秩序な状態になっているわけではありません。幼稚園の基本原則と同じです。先生が監視していない状態で子供を運動場に放置しておくと、すぐにひどい状態になってしまいます。先生が専制君主のようになって自分の意志を押しつけるということではありません――残念ながらそういう場合もありますが。先生のなすべきことは、いじめが起きないようにすることです。そして楽しく遊べる自由を幼稚園の子供に与えるためには、ある程度の構造を作り、悪いパターンが生じないようにする必要があります。

―― 今回の買収が1つの時代の終わりと感じていますか、それとも新たな時代の始まりと感じていますか。

ゴスリング 両方でしょうね。買収が完了すれば、われわれが知っているSun Microsystemsはなくなります。新オーナーの下でどうなるか分かりません。さまざまな可能性が考えられますが、データがないので何とも言えません。

―― 悲しんでいる人もいるようですね。昨日、スコット(マクニーリー氏:Sunの会長)が演壇に上がったとき、感傷的な雰囲気が漂いました。

ゴスリング 彼は自分の感情を抑えるのに苦労していました。皆、泣いていました。聴衆が一斉に立ち上がったのは、本当に信じられないような光景でした。現在、われわれがSunで特に苦労しているのは、自分たちを嫌っている相手と良好な顧客関係を維持するのは非常に難しいということです。

―― これまでSunの記事を書くのを楽しみにしてきたわたしにとっては、これは間違いなく1つの時代の終わりです。

ゴスリング Sunは見知らぬ宿主に寄生するウイルス体になったのです。今後の展開はいずれ明らかになるでしょう。

―― あなたもその一部になるのでしょうか。

ゴスリング それを予測するのは不可能です。

―― 我慢できることとできないことがあるということですね。

ゴスリング その通りです。わたしが去った将来も考えられれば、そうでない将来も考えられるということです。今のところ、データがありません。

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