GPL v3の採用増、だがGPL全体のシェアは低下多様化するオープンソースライセンス

オープンソースプロジェクトのライセンス利用動向はGPL v2が圧倒的なものの、GPL v3も年間で約4倍増加している。オープンコアライセンスモデルの兆しにも注目したい。

» 2009年07月03日 13時01分 公開
[末岡洋子,SourceForge.JP Magazine]
SourceForge.JP Magazine

 Black Duck Softwareは米国時間の6月30日、オープンソースプロジェクトのライセンス利用動向に関する統計を発表した。GNU General Public License(GPL)v3の採用数は前年比4倍で増加したが、GPL全体の利用率は前年より減少した。オープンソースの多様化を示す内容となった。

 同社が追跡しているオープンソースプロジェクトが採用するライセンスの種類について調べた。最も多かったのはGPL v2.0で、50.6%と圧倒的な利用率となった。2位以降の上位10ライセンスは、GNU Lesser General Public License(LGPL) v2.1(9.63%)、PerlライセンスことArtistic License (8.68%)、BSD License 2.0(6.32%)、GPL v3.0(5.1%)、Apache License 2.0(3.91%)、MIT License(3.80%)、Code Project Open 1.02 License(3.35%)、Mozilla Public License 1.1(1.25%)、Microsoft Public License(1.02%)の順。

 Black Duckによると、GPL v3は、2008年の2345件から2009年には9500件になるなど、年間で約4倍増加する一方で、LinuxカーネルやJBossなど、GPL v2にとどまるプロジェクトもあるという。GPL全体の採用率は65%で、昨年の70%から5ポイントの減少となる。これについて、「多様性や開発者とユーザーの考え方が変わってきていることを反映するもの」としている。一方、Microsoft Public Licenseは増加傾向にあり、今回初のトップ10入りとなった。

 同社はまた、オープンソースビジネスモデルのトレンドとして、これまでのデュアルライセンスから、オープンコアライセンスモデルが生まれつつあるとしている。コアの部分をオープンにし、拡張部分を商用として提供するもので、MySQL、PostgreSQLなどがこのビジネスモデルをとるという。

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