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» 2009年07月09日 16時20分 UPDATE

データベースで利益確保:1件ごとの工事案件を「見える化」――5000万円のコスト削減 (1/2)

コスト削減はすべての企業の最優先課題となっているが、そのためには社内全体で1件の仕事についてのコストを見えるようにする必要がある。

[大西高弘,ITmedia]

未回収の売掛金の管理を徹底

 京葉工管は、東京ガス、千葉ガスを主要顧客にするガス関連工事会社だ。従業員は約200人で千葉県を中心に10カ所の営業拠点を持っている。年間で1000件以上の工事を行う同社にとって、各案件のコスト管理は重要な業務の1つだ。しかし、数年前まで家庭用のガス工事案件では売掛金の未回収が発生し、時効案件となって回収不能となってしまうケースがあったという。

 京葉工管 総務部 システム整備課の内田好孝氏は次のように話す。

 「在庫の調達と受注状況の管理にExcelを使い、月に1度、経理が集計して売掛金の未回収を管理していました。しかし、その情報は社内で共有されておらず、回収アクションが属人的だったのです。そのため回収のアクションが忘れ去られていたり、業務の優先度が高くなかったため、未回収のまま時効になってしまう案件が月に数十件ほどありました」

 売掛金の時効は通常2年。管理はしていても、情報共有がしっかりとされていなければ、つい放置されてしまいがちだ。アクションを起こすのは誰なのか、どういう社内の手順で行われるのかが明確になっている必要がある。

 「もちろん、ガス会社さんなどから受注した大口の工事ならこういうことは生じないのです。ただ、一般家庭などのガス工事では、当社が代理店となってガス会社から資材を購入し工事を進めて当社が請求することになります。当然その際購入した資材については当社が支払っているし、人件費も負担しています。請求のアクションを起こすのは、各事業所。細かい案件だと、請求伝票などは整理して保管していても、気がついたら時効になっていたということもあったわけです」と内田氏は話す。

 こうした「うっかりミス」も積もり積もると年間で数百万円から、数千万になる可能性がある。そこで京葉工管は2002年にサイボウズのデータベースソフト「デヂエ」を導入し、売掛金や工事案件の管理を行うことになった。

誰もが使えるツールが必要だった

 内田氏によると、売掛金の問題を含めて工事案件の管理をしっかりさせようという動きは、デヂエ導入以前からあったという。

 「ISOの認可取得をきっかけに、管理の徹底がそれまで以上に重視されるようになりました。そこでデータベースソフトを幾つか試してみたのですが、運用していくことを考えるとなかなかぴったりのものがない。基本はデータを各事業所の担当者に入力してもらわなければならないし、情報を簡単に共有できるものでなくてはならない。デヂエはそうした点で、優れているなと感じました」

 日々の仕事に追われる各担当者にできるだけ負担にならないように運用できるツールでなくては、結局はどこかに負担が集中することになってしまう。

 「データベースのテーブルの変更をしたい時に、簡単にできるという面でもデヂエは重宝します。器具など、販売するものの種類は非常に多いので、テーブルの変更に手間が掛かったり、専門家に依頼しなくてはならないようでは使い物にならない。誰でもすぐに項目を追加するなどして使い、それを共有する必要があるのです」と内田氏は話す。

 02年に20ユーザー分導入し、いまでは60ユーザー分を導入しているが、同社ではその後売掛金の未回収はゼロになったという。

 「売掛金については、古いものから順に並べられて閲覧できるようになっていますので、時効になってしまうということはまったくなくなりました。導入当初は入力することに抵抗感を持っていた人もいたようですが、顧客とのやりとりも次第に電子化が進んできて、こうした状況も追い風となり、すぐに入力されるようになっています」と内田氏は話す。

keiyozu.jpg デヂエ導入後の情報管理の流れ(資料提供:サイボウズ)
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