知らぬ間に築いていた「セルフイメージ」を疑おうビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)

» 2009年07月25日 08時00分 公開
[竹内義晴,ITmedia]
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自分で作った「セルフイメージ」を疑ってみる

 セルフイメージは、これまで見て、聞いて、感じてきたものによって作られる。その中には、自分で体験したこともあるし、毎日触れる情報による思いこみもある。これらに支配されないためには、まず自分が考えているセルフイメージが本当のものかを疑ってみることだ。

 例えば「プログラマーは、システムエンジニアが作った仕様書を元にプログラムを作るのが仕事」というセルフイメージを持っているとする。一般的には、設計を担当するのがシステムエンジニアで、実装をするのがプログラマーと分類する。だが、実務の中で両者の違いを厳密に体感することは、実はあまりない。

 では、このようなセルフイメージにとらわれてしまうのはなぜか。それは「○○さんがそう言っていたから」といった理由が大半ではないだろうか。自分で考えずに、周りの情報だけで物事を判断すると、現実にはそぐわないイメージや無用な上下関係など、余計な考えに支配されてしまう。

 一般的なセルフイメージが原因で、「プログラマーは設計しない」「システムエンジニアは実装しない」「チームをまとめる人はプログラムを組まない」――などと思考に制限をかけるのは好ましくない。大切なのは誰かから聞いたセルフイメージではなく、自分が考え出したセルフイメージである。

 セルフイメージは、何らかの情報が基になっていることが多い。これにまどわされないようにするには、今考えているセルフイメージはどこから得たものかを考えてみてほしい。具体的には「何がわたしに、○○と思わせるのか」について、自分と対話をしてみよう。

 プログラマーの場合、「何がわたしに、プログラマーの評価が低いと思わせるのか」と自分に問い掛けてみる。そうすると、過去に見聞きした情報がセルフイメージの基になっていることが分かる。そしてそれが自分の考えを制限していないか、そのセルフイメージは本当に必要なのかを再考してみよう。

 本稿では、エンジニアが正しいキャリアをたどるために、知らぬ間に築いていたセルフイメージを疑うことの重要さについて言及した。後編では、セルフイメージによる制限をなくすために有効な「肩書きをつけること」の効用を解説する。

少し考え方を変えることで、仕事を楽しく充実したものに。「ビジネスマンの不死身力」では、そのノウハウをお伝えする。


著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)

 竹内義晴

テイクウェーブ代表。自動車メーカー、コンピュータ会社を経て、現在は、経営者・起業家・リーダー層を中心としたビジネスコーチング、人材教育に従事。システムエンジニア時代には、プロジェクトマネジメントにコーチングや神経言語学を生かし、組織活性化を実現。この経験を生かして、クライアントの夢が現実になるよう、コーチングの現場で日々奮闘している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。


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