DoS攻撃に見舞われた翌日の8月7日。日本のTwitter界隈には、別の意味でインパクトのあるニュースが流れた。シンガーソングライターの広瀬香美さんが、かねてから制作を公言していたTwitterへの応援ソング「ビバ☆ヒウィッヒヒー」を完成させ、公式サイト上で発表したのである。
ヒウィッヒヒーとは、広瀬さんがTwitterのロゴマークにある「t」を「ヒ」と読み間違えたことにちなんで名付けた「Twitterの源氏名」だ。広瀬さんはこの歌について、「Twitterのテーマソングではなく『ヒウィッヒヒー』という言葉が広まったことに対する感謝の気持ちを込めた楽曲」と説明している。
もともと広瀬さんにTwitterを紹介したのは、経済評論家の勝間和代さんだった。勝間さんも7月17日にTwitterの利用を始めたばかり(ただしアカウントの取得はそれより前とのこと)だったが、すぐにその楽しさに気付き、友人の広瀬さんを招待した。2人とも自身の言葉で更新を活発に繰り返したこと結果、瞬く間にフォロワーが1万人を突破。いちやく著名人Twitterユーザーの代表例となった。
2人の活動は既存メディアでも取り上げられているほか、勝間さんは自身が連載しているコラムで積極的にTwitterを紹介している。こうした行動が、Twitterの知名度向上の火付け役になっている。
「ビバ☆ヒウィッヒヒー」の歌詞にはTwitterの使い方が含まれていたり、勝間和代さんがカツマカズヨという名前で登場していたりするなど、極めて異色の内容だ。またこの楽曲と歌詞は広瀬さんの公式サイト上で提供されている。広瀬さんが音楽事務所に所属する現職のアーティストであることを考えると、異例ともいえる動きだろう。
Twitterの利用者の間には、「流行に飛びついただけではないのか」という懐疑的な意見もある。だが、できる限り一般の利用者の視点に近づいてくれたとして、好意的な反応を示す人が多かった。
広瀬さんは一般の利用者と近い感覚でTwitterを楽しんだ。こうした「広瀬スタイル」が芸能人の利用者にどこまで広がるかは未知数だが、Twitterの活用に対する新たなアプローチが示されたことは確かだ。ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスは、Twitterで歌詞を募集するという「Twitterオペラ」を9月に上演するそうだが、同じようにファンと交流しながらアイデアを温めるというアーティストが登場するかもしれない。著名人のTwitter活用も目が離せない。
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