東芝ITS、仮想化システムの保守運用サービスを開始

東芝ITサービスは、仮想化システムの遠隔監視とオンサイトでの保守を行うサービスを10月に始める。

» 2009年08月25日 10時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 東芝ITサービスは8月25日、仮想化システムのリモート監視とオンサイトでの保守を行う「仮想化トータルサポート」サービスを10月から提供すると発表した。仮想マシンを50台以上運用する国内の中〜大規模システムが対象になる。

 同サービスは、仮想化されたサーバをリモートから監視し、障害対応や保守のオンサイト対応やヘルプデスクなどのサポートを提供するもの。同社が保有する「リモート運用センタ」と「ITサポートセンタ」「サービスネットワーク」を連携させ、24時間体制でリモート運用センタがシステムを監視し、障害時や保守では全国105カ所の拠点に在籍する約800人の担当者がオンサイトで対応する。

サービス体制の状況

 具体的なサービスメニューは、基本サービスがハードウェアおよびゲストOSの稼働監視・復旧、メールによる定期報告、電話窓口、オンサイトのハードウェア保守、ヘルプデスクなど。オプションでリソース監視とサービスおよびログ監視、リモートからの復旧支援などとなっている。

 同社では同サービス専門の組織を設立し、現在約110人規模のリモート運用センタを2011年度には250人規模に拡張する計画。同年度に約30億円の売り上げを見込む。

石橋社長

 石橋英次社長は仮想化環境の普及に伴い、仮想化システムを運用するために新たな技術の習得、リソース管理の複雑性の増大、監視対象システムの高度化といった課題を求める声が顧客企業から寄せられていると説明。「半世紀近い歴史を持つシステム保守サービスのノウハウとシステム運用のノウハウを一貫したサービスに体系化し、顧客の仮想化システムの安定稼働と運用コストの削減を支援したい」と話した。

 サービスを担当する仮想化推進プロジェクトリーダーの井出弘氏によれば、仮想化システムの運用管理ツールが高額であるため、特に中規模システムを利用する企業にとっては運用管理業務の効率化が大きな課題になっている。「われわれのサービスではベンダーのツールや標準的なツールを活用し、早期の障害発見や問題部分を適切に切り分けた形でのサポートを提供していく」と表明した。

 サービス対象となる製品は、仮想化プラットフォームが対応するVMwareおよびMicrosoft Hyper-V。サーバが日本HPと日本IBM、東芝。ストレージが日本HPとネットアップ、EMCジャパン、東芝ソリューションとなる。

 価格はシステム規模によって異なるが、例えば100台規模の物理サーバを仮想化している環境では年間で1400万円からとなり、自社で対応する場合に比べて3割ほど安価になるという。また、同社では現在個別対応している仮想化システムの設計・構築についても、今年度末までにサービスメニュー化して提供するとしている。

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