勝ち残る企業のWebプロモーション

Twitterの情報経路、正しく理解できていますか?企業とTwitterの向き合い方(2/3 ページ)

» 2009年09月18日 08時00分 公開
[小林啓倫ITmedia]

(2)リプライ

 次によく見られるのが、タイムライン上に表示される自分あての「リプライ(返信)」だ。リプライは、メッセージの冒頭に「@」と「アカウントID」を記述することで、そのアカウントを持つユーザーにメッセージを配信できる機能だ。すべてのリプライは指定された相手のタイムライン上に表示される。リプライは、企業がフォローしていないユーザーにメッセージを届けるために効果的な方法だ。

 一方で、リプライの多用には注意が必要だ。リプライは相手が望んでいないメッセージを送りつける行為にもなりうる。例えばリプライで「新製品が出ました」というメッセージを相手に届けた場合を考えてみよう。他人の家に土足で入り込んだといった印象を与えてしまい、多くの場合、メッセージが届かないように「ブロック」されるのがオチだろう。

 だが、適切なタイミングで情報を届けることを心掛けたリプライは有効な手法となる。Twitterでは「困った」「助けてほしい」といったつぶやきがめずらしくない。検索機能を使うなどして、適切なタイミングで役立つ情報をその人に届けることができれば、メッセージを読んでもらえる可能性は高い。担当者はこうしたユーザーの行動について、細心の注意を払うことが求められる。

(3)ダイレクトメッセージ(DM)

 リプライに似た仕組みが「ダイレクトメッセージ」(DM)である。DMは自分をフォローしている相手に限定してメッセージを配信できる機能だ。宣伝活動には不向きだが、RTのように別のユーザーに情報を届ける代理人になってもらう方法が考えられないわけでもない。例えばオンラインクーポンを用意し、ボタン1つでそのコードをDMから友人に送れるようにしておけば、顧客を通じて見込み客に到達することができるはずだ。

 ただし、国内でこのほどDMを悪用したスパム行為が発生したこともあり、ユーザーはDMに対して警戒心を抱いていると考えた方がいい。ユーザーのプライベートな領域に入り込むDMで過剰な宣伝をすると、送り手の企業に不信感を抱いてしまうかもしれない。現在は、カスタマーサービスなどの用途に限定した活用が妥当だろう。

(4)ハッシュタグ

 検索機能を介した情報伝達の経路として、「ハッシュタグ」の活用がある。ハッシュタグはメッセージ内に「#」で始まるアルファベット(ハッシュタグ)を置くことで、同じテーマのメッセージを検索しやすくする機能だ。#を付けた文字列は自動的に検索リンクに変換され、これをクリックすると、そのハッシュタグを含むすべてのユーザーのメッセージが画面に表示される。

 ハッシュタグの活用は、メッセージを拡散させる有効な手段だ。8月末に行われた衆院議員選挙では、多くのユーザーが「#senkyo」というタグを選挙関連のメッセージに追加して投稿した。メッセージの表示されたタグをクリックすると、#senkyoタグの付いたあらゆるつぶやきが検索結果に表示されるわけだ。仮に企業が選挙関連のキャンペーンサイトを作った場合、そのお知らせに「#senkyo」を加えて投稿すれば、ユーザーに気付いてもらえる可能性がより高まるだろう。

 ハッシュタグで難しいのは、プロモーションに適切なタグを担当者が理解しておかなければいけない点だ。「#senkyo」や「#NHK」など、テーマから連想しやすいタグは問題ないが、文字数を減らすために「東京国際ブックフェア」を「#tibf」というタグで表現する場合もある。企業は配信した情報に関連するユーザーをフォローし、彼らがどのようなタグを使っているかを逐一チェックしておきたい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ