「SAP、Oracle、Microsoftはもう古い」―― Salesforce.comベニオフCEOの講演語録Weekly Memo(1/2 ページ)

Salesforce.comのマーク・ベニオフCEOが先週、自社イベントで基調講演し、同社のクラウドビジネスについて語った。その発言から印象深かった言葉をピックアップしてみた。

» 2009年09月24日 09時18分 公開
[松岡功ITmedia]

キーワードは「リアルタイムクラウド」

 セールスフォース・ドットコムが9月15日、クラウドコンピューティングをテーマとしたプライベートイベント「Cloudforce Japan」を都内で開催し、冒頭で米Salesforce.comのマーク・ベニオフ会長兼CEOが基調講演を行った。

 このイベントで発表された新サービスや導入事例の内容については、既にさまざまなところで報道されているので、本稿ではベニオフCEOの発言を中心に紹介したい。

 本題に入る前に、まずこのイベントで驚かされたのは、都内ホテルの講演会場を埋め尽くした来場者の人数の多さだった。その数、およそ3,000人。聞くところによると、申し込み段階では、その倍の人数に達する勢いだったという。

 「国内最大のクラウドコンピューティング・イベント」と事前告知されたことも効果的だったと思われるが、あらためてクラウド市場をけん引するSalesforce.comの勢いを感じさせられた。

 そしてベニオフCEOが登場すると、来場者から割れんばかりの拍手が起き、会場のボルテージは一気に上がった。かつてMicrosoftやSun Microsystems、Oracleのイベントでこうした雰囲気を何度か感じたことがあるが、今はSalesforce.comに時代の風が吹きつつあることを象徴する瞬間だった。

 基調講演でまずベニオフCEOが発したキーワードは、「リアルタイムクラウド」。「クラウドによって情報をリアルタイムに活用できるようになる」と説き、Salesforce.comがそのためのアプリケーション開発・利用のさまざまな作業をリアルタイムに行えるクラウド基盤を提供していることを強調した。

 また、ベニオフCEOは、同社が展開しているクラウドサービスを「Sales Cloud」「Service Cloud」「Custom Cloud」という3つに分類して紹介した。

「Cloudforce Japan」で基調講演を行うSalesforce.comのマーク・ベニオフ会長兼CEO

 ちなみに、Sales Cloudは営業部門の業務を効率化するSalesforceの営業支援機能を提供するクラウド、Service Cloudはコールセンターやカスタマーサービス部門の業務を効率化するSalesforceのサービス・サポート機能を提供するクラウド、Custom CloudはCRMのカスタマイズやアプリケーションの作成が容易にできるForce.comプラットフォームを提供するクラウドのことをいう。

 それらの内容についても既に報道されているので他稿に任せるとして、ここからはベニオフCEOのスピーチの中で、筆者が印象に残った言葉をピックアップしてみた。

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