シトリックス、NetScalerの仮想化対応ソフトウェアをリリース多様な運用環境に対応

シトリックスは、アプリケーション配信制御製品「NetScaler」のソフトウェア版となる「NetScaler VPX」を発売した。

» 2009年09月28日 16時43分 公開
[ITmedia]

 シトリックス・システムズ・ジャパンは9月28日、アプリケーション配信制御(ADC)製品「NetScaler」のソフトウェア版として、仮想化環境に対応した「Citrix NetScaler VPX」を発売した。クラウド型サービスやマルチテナントサービスなど多様な運用環境に対応する。

 同製品は、アプライアンスで提供されているNetScalerの機能をソフトウェアで提供するもので、XenServer 5 Update 3以降を利用した仮想化環境で動作する。主な機能はレイヤ4〜7でのトラフィック最適化や、コンテンツの圧縮・キャッシュ、DoS(サービス妨害)対策やSSL通信、アプリケーションファイアウォールなどで、アプライアンス版とほぼ同一。また、SNSサイトなどのWeb 2.0型のコンテンツ配信を最適化する「Web 2.0 Push」も搭載する。

NetScaler VPXの実装イメージ

 ラインアップはスループットにより3種類を用意。また、利用可能な機能が一部異なる「Platinum」「Enterprise」「Standard」の3つのエディションを提供する。価格は、VPX10が33万円から(編注:初回掲出時に30万円と記載しましたが、同社より訂正がありました)、VPX200が75万円から、VPX1000が225万円から(いずれも税別、Standardエディションの場合)。

製品ラインアップと最大スループット(性能はサーバ環境により異なる)

 ソフトウェア版の提供理由について、事業開発担当シニアマネジャーの村上愼一氏は「これまで提供されたADC製品の多くがアプライアンス形態だった。近年はクラウドに代表されるコンピューティング環境の多様化、仮想化技術の普及と信頼性の向上などにより、ソフトウェアベースで柔軟に使える製品へのニーズが高まっている」と説明した。

 ソフトウェアとしてADCを利用することで、アプライアンスの導入や運用、保守などのコストが削減できるほか、ユーザーニーズに応じた多彩なサービスにADCの機能を組み込めるようになるという。

 SaaS(サービスとしてのソフトウェア)などのクラウド型サービスやホスティングサービスでは、データセンター事業者やサービス事業者がユーザーごとにアプリケーション配信の最適化とセキュリティ機能を提供できる。また、アプリケーションごとに最適な設定を行ったADCを組み合わせて提供するという形態や、Webシステムなどの開発・検証用環境などにも利用できるとしている。

 同担当ディレクターの山中理惠氏は、「ソフトウェア版のADCは新しい製品カテゴリーであり、今後はアプライアンス版と一緒に普及していくとみている。ソフトウェア版の価格はアプライアンス版に比べて10分の1程度であるため、特に中小企業での利用が広がるだろう」と展望を語った。

企業向け情報サイト「ITmedia エンタープライズ」へ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ