「クラウド時代のサービスマネジメント」――その鼓動を聞けPulse Japan 2009 Autumn

企業IT基盤の新たな選択肢として注目されるクラウドコンピューティング。この秋に開催されるPulse Japan 2009 Autumnでは、その確立に必要な製品とサービスをはじめ、実行環境や運用手法、そして事例が一堂に会し、紹介されるという。

» 2009年10月01日 10時00分 公開
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 企業のIT基盤が抱える課題としては、コストや運用の繁雑さ、稼働効率、サービス提供までのタイムラグなど、さまざまな要素が挙げられる。そのため長年に渡り、多くの企業の情報システム部門は、現場からの要求に応じるのが精一杯で、自らの体制や基盤そのものの変革に取り組む余裕がないという実態もあった。しかし切迫する昨今の経済状況の中では、こうした課題を放置しておけば企業全体の競争力低下を招きかねない。いよいよ変革に取り組む必要性が増しているのだ。

 IT基盤が抱える課題を解決する手法としては、既にさまざまなテクノロジーやマネジメント手法が編み出されている。例えばSOA(サービス指向アーキテクチャ)や仮想化技術、あるいはITILやISO20000に基づくサービスマネジメントなどが挙げられよう。これらを採用済みの企業も多いが、一連の課題解決手法の“最新の集大成”とも言えるのが、今まさに注目を集めている「クラウドコンピューティング」だ――。

クラウド環境の運用に現実解を示す

 日本IBMが11月5日に開催する「Pulse Japan 2009 Autumn」で主軸となるテーマが、まさにこのクラウドコンピューティングである。なお「Pulse」と銘打ったカンファレンスは、過去にも同社が開催していた、サービスマネジメントを主題とするイベントを引き継ぐ形となっており、2008年から世界中で開催されている。世界市場を見据えた年次カンファレンスが米国で開かれるほか、日本をはじめ各国でも、それぞれの地域や国に合わせた内容のイベントとして展開されている。このうち、日本の「Pulse Japan」は、IBMが提唱する「ダイナミックインフラストラクチャ」を主なテーマとして、2009年4月に開催された。Pulse Japan 2009 Autumnは、「Pulse」としては今年2回目の開催となる。

4月に開催されたPulse Japanの様子。サービスマネジメントの最新潮流を知ろうとする聴衆に、会場は埋められた―― 4月に開催されたPulse Japanの様子。サービスマネジメントの最新潮流を知ろうとする聴衆に、会場は埋められた――

 クラウドコンピューティングに代表される新たなITの潮流を、どのように自社のIT基盤へ適用するべきか。企業ITに携わる人であれば、クラウドコンピューティングというキーワードについては、既に認知しているだろう。しかし、たとえその概念については“漠然と”理解していたとしても、完全にその定義が共有されてはいない状況では、自社のIT基盤にクラウドコンピューティングを適用することまでは、視野に入れにくい。ITサービスを提供する側にとっては、クラウドコンピューティング環境構築後のサービスマネジメント体制について、責任を持つ必要があるからだ。

 このような、ある種の不安を払拭するため、クラウドコンピューティングの導入について実用的な情報を求める企業にとっては、Pulse Japan 2009 Autumnは絶好の機会となり得るだろう。ブレークアウトセッションはテーマ別に5つのトラックが開催され、特に3つのトラックでは、まさにクラウドコンピューティングに関連した具体的な検討課題や解決策が紹介される予定だ。

 ここからは、各トラックおよびセッションの内容について紹介しよう。

 まず「クラウド適用の戦略とアプローチ」トラックでは、セッションA-1「クラウド時代のIT戦略策定」をはじめ、クラウドコンピューティングの適用領域の判別やサービスストラテジーの策定、さらにはクラウドコンピューティングにおけるセキュリティ体制を確立するまでの、企業がクラウドの導入を検討するに当たり備えるべき点の数々が紹介される。

 また「クラウドを加速するソリューション」トラックでは、オールインワンでクラウドをすぐに実現するIBM CloudBurstなどのプライベートクラウド環境を構築するソリューションやクラウド環境のサービスマネジメントの考え方や実現方法を通じて、クラウド基盤の構築に向けた検討をより具体的に進めるための情報が紹介される。このうちセッションB-2「エンタープライズクラウド事例〜ここまできている!クラウド取り組み実例紹介〜」では、これら製品群を活用してクラウド環境を構築することで得られた効果について、既に成果を挙げている事例を通じ、解説されるという。

 とはいえ現実的には、クラウドコンピューティングの適用に際し、現行システムからの移行ステップも踏まえる必要がある。また、ハードウェアの選定や、SIを担当するパートナー企業を検討する必要もあるだろう。「クラウドを支えるインフラストラクチャー」トラックでは、セッションC-1「現行システムのクラウド化とIT基盤の将来像」やC-2「クラウド時代到来。その時ストレージに求められること」が予定されており、クラウドコンピューティング構築にあたりKeyとなるインフラストラクチャーの検討課題を踏まえた内容となっている。

 加えてC-4「データセンター運用における継続的QCD向上を目指した属人性への対応」では、実際にインフラ運用の属人性排除に取り組んだベニックソリューション自身の手で、その事例が紹介される。

ビジネスとIT基盤を最適化する「サービスマネジメント」

 Pulseを貫くもう1つのテーマとして挙げられるのは、サービスマネジメントである。Pulse Japan 2009 Autumnでも、「サービスマネジメント最前線」トラックでは、その名が示す通りサービスマネジメントを中心としたセッションで占められている。サービスマネジメントのフレームワークであるITILや、同じくサービスマネジメントの認証規格であるISO20000は、情報システム部門の組織変革に有効なものとして既に認知されており、国内でも多くの企業が取り組みを進めている。企業が有する資産を可視化/コントロール/自動化することで、ビジネスとIT基盤を結び付け、最適化するというサービスマネジメントの手法は、クラウド環境においても通用するものであると同時に、むしろお互いに相乗効果を発揮できる関係だと言える。

 セッションD-1「運用管理から最新サービスマネジメントへの変革〜クラウド時代にITILとISO20000をどのように活用するべきか〜」では、クラウドによってもたらされるビジネス中心のサービス指向のIT環境において、情報システム部門も単なる運用管理からサービスマネジメント組織へと変革を求められるとした上で、ITILやISO2000の効果的な活用方法を紹介するという。

 また、このトラックは日本企業におけるサービスマネジメント構築について、2つの事例セッションが用意されている。セッションD-3「Tivoli Netcoolを活用したサービスマネジメント〜ソリューションと導入事例のご紹介〜」は、統合イベント管理製品群であるNetcoolを活用して先進的なサービスマネジメントを実現したある企業の事例が紹介される予定だ。セッションD-4「データセンターにおけるサービスマネジメント実現に向けて〜ツール活用による可視化と効率化〜」では、ユーザー企業であるNTTデータソルフィス自身の手で、Tivoliを活用して サービスマネジメントに取り組み、効果を発揮した事例が語られる。

資産管理は、大きな効果が見込める分野

 「企業資産管理(Maximo)」トラックは、企業のアセットマネジメント(資産管理)を柱としたセッションから成る。資産管理は、IT資産管理として考えればサービスマネジメントにも関連する重要な要素であり、また非IT資産にも視野を広げれば、企業全体の経営資源を管理するとも捉えられる。厳しい経営環境に置かれた今の企業にとって、資産の効率化や有効活用を手助けするためには見逃せない観点だ。「企業資産管理(Maximo)」トラックの各セッションでは、その両面に対応したIBMの資産管理製品群「Maximo」を中心に、さまざまな観点から企業の資産管理についての解説が予定されている。

 例えばセッションE-3「必見! Maximo最新情報〜今すぐ使えるテクニカルTipsと製品ロードマップ〜」では、主にIT資産管理に特化した内容となっており、MaximoおよびTivoliの活用に役立つ各種Tips、最新製品や今後リリース予定の製品についての紹介が行われるという。

 またセッションE-1「いま、この時代に企業資産管理(Enterprise Asset Management)がなぜ必要か?―投資対効果を考察する―」は、日本IBMのコンサルティングサービス「Business Value Analysis(BVA)」の紹介と位置付けられる。こちらは、非IT資産を中心とした資産管理に関連する内容となっており、世界中の事例から蓄積した情報をもとに資産管理の効果がどれだけ見込めるかを分析するBVAについての解説が行われる。現状、国内の企業では、非IT分野の資産管理をITで行うという市場は欧米ほど広まってはいない。だが未着手な分野であればこそ、今から取り組めば、コスト削減や経営資源の最適かという点で、大きな効果が期待できるだろう。

ITサービスの改善とコスト削減を図る

 そもそもIBM自身が、クラウドコンピューティングに対してはいち早い取り組みを見せてきた企業だ。そのIBMによれば、クラウド環境の確立に必要なものは、クラウドコンピューティングを導入するためのIT製品とサービス、IBM CloudBurstのようなクラウドコンピューティングの展開/実行環境、そしてクラウド環境を管理するためのTivoliに代表される管理ソフトウェアだという。

 Pulse Japan 2009 Autumnでは、これらの情報が、活用事例や展示コーナーでのデモを加えた形で一堂に会することになる。当日会場で、クラウドコンピューティングやサービスマネジメントの手法をはじめ、資産管理、セキュリティ、仮想化、エネルギー効率化、情報基盤管理といった課題に対する答えを見出すことで、“ITサービスの標準化と質の向上”そして多くの企業にとって危急の命題でもある“コスト削減”が図れるだろう。

Pulse Japan 2009 Autumn
日時 2009年11月5日(木)
10:00〜17:00 (受付開始 9:30〜)
会場 グランドプリンスホテル赤坂
東京都千代田区紀尾井町1-2
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入場料 無料

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年10月31日