企業はMicrosoftにとって消費者につながる入り口だ。成功への道でもある。企業がWindows 7をVista同様のお荷物だと考えたら、Microsoftは企業顧客を獲得するのに苦労するだろう。その過程で、ライバルにさらに市場シェアを奪われる可能性もある。
Vistaを導入したくない消費者に、PCベンダーが「ダウングレード権」を提供していたことを覚えているだろうか? Windows 7がMicrosoftの望む通りにPCベンダーを引きつけられなければ、ダウングレード権の提供は続くかもしれない。Microsoftはそれを望んでいない。
Microsoftのここ2〜3年のマーケティングキャンペーンはあまりよくはなかった。失敗に終わったサインフェルドのCMは、消費者に「言いたいことが分からない」と評価された。そのあとの「I'm a PC(わたしはパソコン)」CMも同じような結果だった。Windows 7のマーケティングではいかなる失敗もできない。できるだけ早急に、いい印象を与える必要がある。
メディアのレビューはOSの成否に大きく影響することがある。多くの人はOSを買うかどうか決心できると期待してレビューを読んでいる。こうしたレビューにVistaとの比較があまりに多かったら、あるいは、もっとひどい場合、Windows 7はVistaに似ていると書かれていたら、ユーザーの敬遠を招くことになりかねない。そうなったらMicrosoftは困るばかりだ。
ユーザーがWindows 7を手にしたときに、UACが彼らをいら立たせるようなことがあってはいけない。UACはユーザーを守るための必要悪で、これがなければセキュリティ問題に見舞われる人もいるだろうが、押しつけがましくならないようにすることが大事だ。
Microsoftにとって極めて重要なのは、企業顧客を説得してWindows 7を導入させる作業にすぐに取り掛かることだ。これは必須だ。もしも企業が長く待つことになれば、社員はMac OS Xを検討し始めるだろう。Microsoftは顧客を失うかもしれない。企業は常にMicrosoftのOS独占への入り口だった。企業が懐疑的になれば、MicrosoftがOS市場で独占的地位を維持する可能性が低くなるばかりだ。
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