勝ち残る企業のWebプロモーション

ベストブランド100が指し示す企業Twitterの現在地企業とTwitterの向き合い方(4/4 ページ)

» 2009年10月16日 08時00分 公開
[斉藤徹,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

(4)ECサイトやリアル店舗サービスとの連動(バーゲン情報など)

 自社のECサイトや実店舗での販売促進のために、宣伝情報を流すアカウントを設置しているのは、全56社中6社(11%)だった。最も有名なアカウントは、フォロワー数が100万人を超えたDellOutletとamazonmp3である。

 DellOutletは限定アウトレット商品、amazonmp3はスペシャルセールス情報の告知に使われており、新聞チラシの「先着何名様限定」という触れ込みに似た活用である。この情報は鮮度が極めて重要であり、Twitterのリアルタイム特性が企業、ユーザーの双方にプラスになっている。メッセージごとに個別のクーポンコードを発行し、購入経路や告知効果を分析するなど、高度な運用をする企業も増えている。

(5)企業の求人募集

 人材募集専門のアカウントを開設する企業も出てきており、全56社中4社(7%)がこのタイプに当てはまる。社数こそ少ないが、求人募集のアカウントはかなり活性化しており、4社中3社では企業の代表アカウントを上回るTweetが発信されている。内容は各部門の人材を募集するというシンプルなもので、求人情報を配信するだけの「一斉配信型」が多い。現時点ではユーザーとのやり取りはあまり行われていない。

(6)製品サービスの改善アイデア募集

 Twitterを活用する先進企業の代表格であるDellとStarbucksの2社が、アイデア募集専用のアカウントを開設している。それぞれ「Dell Ideastorm」、「My Starbucks Idea」というアイデアコミュニティーと連動したものだ。Web上のコミュニティーに気軽にメッセージを発信できるTwitterの特性に期待した運用手法であり、Twitter経由で顧客の声を商品に取り入れるトレンドは本格化している。今後は、このように用途を特化した企業のTwitter活用は増えていくだろう。


 今回は世界のベストブランド100社がいかにTwitterを活用しているかについて、基本的なアカウントの特性や活用の目的を考察した。次回は業種別に見たTwitterの活用を取り上げ、ベストブランド100社を詳細に分析していく。

企業向けのお勧め情報を発信している「ITmedia エンタープライズ 編集部公式Twitter」も併せてチェック

著者プロフィール:斉藤徹(さいとうとおる)

image

ループス・コミュニケーションズ 代表取締役社長。慶應義塾大学理工学部卒。日本IBMを経て、フレックスファームを創業。2004年に持株を売却し、2005年からはループス・コミュニケーションズを第二創業。SNSやシステム構築運用に加え、TwitterやFacebook、mixiアプリなどのソーシャルメディアを活用するノウハウを企業向けに提供している。ITmedia オルテナティブ・ブログでは『ソーシャルメディア。マーケティングにどう活用するか?』を執筆している。10月16日に新著『Twitterマーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール』を出版。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ