英Clearswift、サービスプロバイダー向けのセキュリティ事業を計画

英セキュリティ企業のClearswiftは、近くSaaSなどでセキュリティサービスを提供する企業向けにビジネスを始めるという。同社幹部が明らかにした。

» 2009年10月27日 20時31分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 英セキュリティ企業のClearswiftと同社日本法人は10月27日、事業動向に関する記者説明を行い、サービスプロバイダー向けの事業をスタートさせる計画を明らかにした。日本市場でも展開するという。

 セールス担当副社長のジェスパー・フレデリクセン氏は、「金融危機以降のITコスト削減ムードの高まりやSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型ビジネスの拡大に伴って、企業規模を問わず月額課金などのサービス化を求めるニーズが強まっている」と説明した。

事業動向を説明するフレデリクセン氏(左)と嘉規氏

 新事業は近く詳細を発表するとしている。フレデリクセン氏はサービスプロバイダー向けにメールおよびWebセキュリティの技術を提供する方針としており、サービスプロバイダーが最終顧客の企業などから得た収益の一定割合を同社が手にするビジネスモデルを検討しているという。

 フレデリクセン氏は、「Webメールのように電子メールとWebが一体化しつつあり、セキュリティ対策も一元化されていることが重要」と話す。同社では、すでにアプライアンスで提供するメールおよびWebセキュリティ製品の管理コンソールを統合しており、ユーザー個人やグループ単位でのポリシー設定も行える。また、コンテンツ解析による深いレベルでの脅威検出が可能だとしており、同氏は柔軟な運用性と対策能力の高さによって新規事業が成功につながると自信を示した。

 国内市場での展開について、クリアスウィフト社長の嘉規邦伸氏は、サービスプロバイダー向け事業とWebセキュリティの2つを主軸に展開する考えを表明した。国内ではメガバンクなど多数の大企業顧客を抱えるが、新規事業により中堅企業以上の新規顧客を獲得できる見込みだという。

 嘉規氏は、「今までのセキュリティ対策は危機感をあおるような面があったが、われわれは柔軟なポリシー設定機能のように利便性と防御を両立させるアプローチを試みている。今の製品力と新たなビジネスモデルによって、多くの企業に新たな価値を提供できるだろう」と述べている。

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