好きなことしかしないし、できないオルタナティブな生き方 宮沢純一さん(2/2 ページ)

» 2009年11月05日 11時30分 公開
[土肥可名子,ITmedia]
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 技術者はできないことをさせられることには、基本的に抵抗します。そんな社員を動かすには、技術的に可能であることを証明します。すでに他社で作った製品がある場合はよいのですが、そういうものがない場合はわたしがフォローします。何か新しいものを作るときは、その構造を解析して、核となる要素や技術を調べて一つ一つの裏付けを取るところまでのサポートがわたしの仕事です。

 また、プログラミングコツテクニック考え方を教えるのもわたしの仕事ですが、正解だけを教えるようなことはしません。人に物事を教えるときは、それが子どもに勉強を教えるのであっても何であっても、必ず間違った方向からも教えないとダメ。数学なんかは正解だけ教えてもどうにもなりません。応用がきかないからです。本人が自分で理解して突破できるようにしないと。

 本音をいえば、コーディングまですべて自分の手でやりたいところですが、残念ながらその時間がないのが悩みの種です。ずっとコンピュータのことを考えていたいのですが、マネジメントや営業の仕事の方がだんだん増えてきて。メールの処理だけでも2、3時間はかかるようになってしまいました。常に頭の中でマルチタスク的にいくつかの仕事が動いているのですが、答えが出ない仕事、いくら考えても調べても、ひらめかないとできない仕事がいくつか残っているのです。

 このひらめきを待つ時間、ぼんやり考える時間がもっと欲しい。周りからは寝てるんじゃないのかって間違われることもあるのですけれど、このぼんやり考える時間が大切なのです。この時間が取れれば取れるほどいい仕事ができる。どうすればそういう時間を取れるかということも分かってはいるし、会社のためにも、わたしがもっと技術的な仕事をできるようにしたいのですけれど……。ただどんなに忙しくても、やりたいことやその方法を自分で決められるので、今の仕事の方が外で勤めていたころよりはずっとわたしには合っています。

 もっといいソフトウェアを作りたいです。たとえ自社企画のパッケージソフトでも、企業にはどうしても採算や期限といった制約があって、ある程度妥協しなければならない。もし、もし仮にできるのならば、潤沢な資金と時間、それに最高のスタッフでいいものを作りたい。それが夢ですね。

脳のCPUが疲れてる? 疲労回復にはタイのビタミン

 趣味というと料理でしょうか。調理師免許を機会があって取得しました。学生時代は教授から研究よりも料理の注文が多かったですね。ほかの連中が遊びに行ったりするなか、わたしはその辺にある大きなビーカーや鍋を使って料理していました。

 自分で作ると、その料理がどういう風に作られているのか分かります。食べることが好きなので、おいしくするにはどうしたらいいのか考える、ゲーム感覚です。仕事にかこつけて、中華料理を食べるために香港に通っていた時代もありました。以前は、日本で本格的な中華料理を2、3回食べる金額で香港に1回行けましたから。今は仕事がら、タイでおいしい料理をいただくのが楽しみになっています。

 タイとの付き合いは仕事がきっかけです。支社を作って10年ぐらいになるでしょうか。わたしはもともと職住接近でないとダメなタイプ。離れてもせいぜい2駅までが限界です。だって時間がもったいないでしょう。社員も地元採用が多いので、本社を地元から移すつもりはなかったのですが、田舎に本社があると正直弱いのです。事業が軌道に乗ってきたので、取引上の信用面からそろそろ東京か海外に営業所を作る必要性を感じるようになりました。

 どこにしようか、東京か、いっそアジア──香港か北京か台北かと悩んでいたころ、タイのソフトウェアベンダーがうちのソフトを売りたいと言ってくれまして。うちのお客さまから話を聞いたと言って。それで製品を販売することになり、そうなるとサポートが必要だということでタイに行くようになり、これはビジネスになるかなとバンコクに支社を作ることにしたんです。今はわたし自身が支社長を兼ねているので、定期的にバンコクへ足を運んでいます。いいところですよ、タイ。

 睡眠は毎日3、4時間くらいです、MURAMASA(シャープが発売するノートパソコンのブランド)を触る時間を削ってまで睡眠時間を確保する方がよっぽどストレスがたまるので、時間があればMURAMASAです。寝るときもベッドの横に置いています。わたし、肩が凝ったことがないくらい、疲れたって感じることがないのです。ただ最近、時間の進み方が早くて。対外的なI/Oスピードが落ちている証拠ですよね。それだけ処理しきれていないってことですから。

 昔から無理してきたので、脳細胞がかなり傷んでいるんですね。時々ね、プチプチと音をたてて死んでる気がします(笑)。CPUがくたびれてるのですよね、きっと。メモリ足したらどうかなと思って、最近はタイで買ったビタミンを一生懸命飲んでます。何とかしてもうちょっと時間の流れをゆっくりにしたいなと。

 娘もコンピュータが大好きです。3歳からコンピュータを与えて、コンピュータは何でもできるから、あとはお前の努力次第だよ、好きなように使いなさいって教えています。今1番好きなのは、わたしが使っているこのMURAMASA。パパのパソコンが1番いい、触らせてっていつも言われます。しょうがないので、わたしの予備のMURAMASAを貸して、ふたりでMURAMASAを楽しんでいます。

 ブログは書いていて楽しいです。コメントが付くのが1番うれしいかな、誰かが読んでくれてるということが実感できて。ビンゴピンボールの話を書いたときに、全く知らない人たちからたくさんコメントをもらったのにはびっくりしました。ビンゴピンボールを好きな人がこんなにいるのだと分かって、うれしかったです。

 学生時代映画研究会でシナリオを書いていたこともあって、書くこと自体が好きです。これからも、読んでくれる人に楽しんでもらえる話を書きたいです。わたしのブログを読んで、ほんのちょっとでも楽しかったな、読んでよかったなと思ってもらえる話題を書いていきたい。わたしのブログを読んで嫌な思いをする人が一人も出ないように、これからもそういう楽しい話題を提供していきたいと思っています。

宮沢純一さん 愛機MURAMASAと宮沢さん

宮沢純一氏 プロフィール

宮沢純一

株式会社ケイディティエス専務取締役。タイ国の現地法人kdtsタイランドの代表取締役も兼任

元ハードウェア技術者、元プログラマー、kdts社製のすべての製品の企画、監修を行う。調理師免許所持(趣味)。

タイの豆知識や愛機MURAMASAの情報などをつづる、ITmedia オルタナティブ・ブログ『無事今日も終了です』を好評執筆中。


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