データセンター最前線:次の10年、データセンター事業者が共に歩むベストパートナーは?

データセンターのエネルギー効率改善に関しては、既に数多くのアプローチがあるが、米国のデータセンター業界とエネルギー業界で起こっている変化の波は、それらに対して再考を求めている。本稿では、クラウドコンピューティングの基盤プラットフォームとして米Yahoo!やAmazonといった米国の先進的なネット企業から絶大な支持を受ける日本SGIのソリューションを紹介する。


 データセンタービジネスが本格化して10年ほどが過ぎた。この10年でIT業界は大きく変化し、クライアント/サーバ型のシステム、あるいはスケールアップ式のシステムから、スケールアウト型の分散システムを論理的に統合した形でクラウドコンピューティングの基盤プラットフォームとして用いるトレンドが確立された。

 コンピューティングモデルあるいは技術が大きく変化していく中で、10年前には想定されていなかったような問題――急増する電力需要、冷却対策の強化、可用性の確保、床設備の改善など――が幾つも浮かび上がってきた。さらに、データセンターそのものが、新しいIT技術、新しい管理体制に対応すべき時代になっていることは、仮想化技術などの台頭をみても明らかである。

第1世代のデータセンターの限界と次世代のデータセンターの可能性について説く日本SGIマーケティング本部データセンタービジネス担当部長の増月孝信氏。 第1世代のデータセンターの限界と次世代のデータセンターの可能性について説く日本SGIマーケティング本部データセンタービジネス担当部長の増月孝信氏。

 しかし、データセンターのあり方そのものは、この10年で大きく変わっていない。データセンターにおける建屋やファシリティの耐用年数は、3年ほどで償却されるサーバなどのIT機器と比べるとかなり長期間で、一般には、10年前後で設備を償却するからだ。時代遅れの設備を運用でカバーしながらデータセンター事業を手掛ける企業の大半が、今、その統合や改築を急ピッチで進めている。

 米国ではここ数年、米Yahoo!やAmazonをはじめとする先進的なネット企業が、圧倒的なスケールによるデータセンターを次々と建設し、注目を集めている。これらは第一世代のデータセンターが耐用年数を迎えたことを再確認させると同時に、データセンタービジネスが、ハードウェア/ソフトウェアの両面から大きく変化していることを示すものとして、注意深く洞察する必要がある。なぜなら、これまでもITに関するトレンドの多くが米国主導で進められてきた歴史のとおり、同じことが今後日本のデータセンターにも当てはまると考えられるからだ。

 現在、Amazon、米Yahoo!、Facebookといった名だたる企業をはじめとする数多くの企業が新世代のデータセンターにこぞって採用しているのが、SGIの製品である(2009年に入り、データセンター向けハードウェアを専門に扱っていたRackable Systems社が、米Silicon Graphics(SGI)の買収手続きを完了させ、「SGI」という新社名を採用)。そして、このSGIの製品を日本で提供するのが、日本SGIである。具体的な製品としてはサーバ製品「SGI CloudRack」「SGI Foundation Rack」およびコンテナ型モジュラーデータセンター「SGI ICE Cube」が挙げられる。

 日本SGIは2009年9月、米国で十分な実績を得たこれらの製品を日本市場でも提供するとし、データセンター事業への進出を発表した。「10年前のテクノロジーと今の最先端技術は違う」と話すのは、日本SGIマーケティング本部データセンタービジネス担当部長の増月孝信氏。以下では、増月氏の言葉を交えながら、なぜ同社の製品が新世代のデータセンターに最適なのかを紹介していく。

米Yahoo!、Amazon、Facebook……先進的なネット企業がSGIを選ぶ理由

42Uのラックに最大912コアを搭載可能なSGI CloudRack。物理的な高密度化の極みに達しながら、低消費電力で他社の追随を許さない優れたサーバ設計は米国で先進的なネット企業から高い評価を受けている 42Uのラックに最大912コアを搭載可能なSGI CloudRack。物理的な高密度化の極みに達しながら、低消費電力で他社の追随を許さない優れたサーバ設計は米国で先進的なネット企業から高い評価を受けている

 増月氏は、米国で先進的なネット企業がSGI CloudRackなどの製品を採用する理由を3点挙げる――「高密度設計」「低消費電力」「BTO(Build To Order)」だ。その根源にあるものを一意に表現するなら、“エコ”である。

 SGI Foundation Rackに設置されるサーバは、Half-Depth Serverと呼ばれる1Uハーフサイズが採用されており、これを背中合わせにラックにマウント(Back-to-Back)することで、従来の2倍の高密度化を果たしている。CloudRackに至っては、42Uのラックに最大912コアを搭載可能で、物理的な高密度化の極みに達している。高密度化のアプローチとしてはブレードサーバも存在するが、「(ブレードでは)熱が厄介な問題として残る。また、イニシャルコストが大きくなるため、現在の景況感では導入に踏み切りにくい企業も多い。われわれの製品は、ブレードのアプローチを取りつつ、ブレードの問題を解決できると考えている」と増月氏は話す。

 ブレードサーバでも同様だが、サーバの高密度化が進んだことで、スペースはあるが電力不足が引き起こされるという問題が表面化している。このため、低消費電力サーバに対するカスタマーニーズは強いという。

 「データセンターの運用において消費電力はかなりシビアに受け取られるようになった」と増月氏。低消費電力サーバを突き詰めると、汎用のIAサーバではなく、自作のサーバに行き着くのはデータセンター事業者の中でよく知られている。日本国内のデータセンター事業者でも、先進的な事業者はすでに自作のサーバでサービスを展開している。もちろん、ハードウェアの設計からすべて自社で手掛けるのは高コストだが、それでも電力と空調を抑えることによるコスト効果の方がはるかに大きいというのが、ある規模以上のデータセンター事業者の間では常識である。

 汎用的な機能をそぎ落とし、電力消費の少ないパーツを採用したりする一方で、90%超の変換効率を持つ電源の採用や、直流電源方式の採用、スペックに合わせた冷却ファン数など、エネルギー効率化のための徹底したカスタマイズを可能にしているのが同社のBTOモデルの特徴だ。結果として低消費電力かつ高密度を実現できるだけでなく、高効率のサーバは、熱に変換される電力を抑えることができ、つまりは冷却コストの抑制にもつながるため、データセンター全体の消費電力削減となる。

 「冷やせばいいというものではない。データセンター全体の空調設備に対する負担の軽減、つまりは冷やさないことを考えなければならない」(増月氏)

 信頼性の高い商用サーバを購入する代わりに、安いコストで信頼性の低いサーバを自作し、障害への対応はソフトウェアでカバーしながらスケールメリットを出していくというのが米国での先進的なネット企業の取り組みであり、新しいデータセンターの姿である。日本SGIの製品の実績はすでに米国で十分に証明されており、自社でハードウェア設計から行う時間的なコストを含めれば、かなりのコストパフォーマンスが期待できる。

 1台当たりの消費電力を他社の一般的なIAサーバと比べると、最大で20%程度の省電力を実現した。上述したような企業は数万台から数十万台の規模でデータセンターを構築していることを考えれば、データセンター全体の消費電力削減は極めて高い。

 「試算では、1000台のサーバ環境で弊社製品を採用した場合、3年間で5100万円以上の電力コスト削減が見込める。このコストがサービスコストに与える影響は大きい」(増月氏)

日本のデータセンター事業者が歩む次の10年

 「データセンター事業者、それも都市型の事業者は大きな転換期を迎えている」と増月氏は話す。昨今、地球温暖化の問題が表面化したことで、企業は温室効果ガス削減に本腰を入れて臨まなければならない状況となってきた。「グリーンIT」という言葉に象徴されるように、省エネルギーに対する取り組みは今や企業の責任である。

 特に、都市型のデータセンター事業者は、「2020年までに2000年比で東京の温室効果ガスを25%削減する」という東京都の温室効果ガス削減目標を踏まえて改正された「環境確保条例」により、エネルギーの高効率化が強く求められている。2010年度からは約1400の大規模事業所に温室効果ガス排出の総量削減が義務づけられることになっており、そうしたデータセンター事業者にとってはエネルギーの高効率化が待ったなしの経営課題へと引き上げられた。一方では海外のクラウドの波に飲み込まれてしまうのではないかという危機意識、さらには新世代のデータセンターをどのように設計し、大きな枠組みのクラウドコンピューティングサービスを提供するかを悩む事業者は多い。

 「新規にデータセンターを建設してIT機器を導入するコストを考えると、コンテナ型のデータセンターを導入する経済的なメリットは非常に大きい。日本では都市型のデータセンター需要はいまだに根強く、実際にその依存度も高いが、環境確保条例によって地方に展開するといった選択肢を検討する事業者も出てくるだろう。あるいはコロケーションからホスティングへのシフトを考えている事業者が、都市型のデータセンターからの脱却を図り、グローバルの中でどう勝負していくかが問われる時代に入ったといえる。そこで、SGI ICE Cubeのようなコンテナ型モジュラーデータセンターの導入が検討されるのではないか」(増月氏)

 将来的なクラウドの価値が見え始めた現在、データセンター事業者は現在の安定運用を目指しつつ、環境に優しい次の世代の基盤プラットフォームとしてのあり方を模索していかなければならない場面に直面している。今後、データセンターがクラウドにどう向き合っていくのか? それを考えるに当たって、米国の先進的なネット企業がこぞって支持するSGIの「高密度設計」「低消費電力」「BTO」を実現したデータセンターサーバ、またそれらを基盤としたソリューションで日本SGIは強力なパートナーとして振る舞うだろう。

都市型のデータセンターから脱却を図るデータセンター事業者にとって、SGI ICE Cubeのようなコンテナ型モジュラーデータセンターは大きな価値をもたらすのではないか 都市型のデータセンターから脱却を図るデータセンター事業者にとって、SGI ICE Cubeのようなコンテナ型モジュラーデータセンターは大きな価値をもたらすのではないか


提供:日本SGI株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年12月23日

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