Dellがクラウドサービス事業の強化に乗り出した。これまで米国内だけで提供してきたサービス群をグローバルに展開する。日本でも来年後半に投入する計画だ。
先週は、米Microsoftが自社イベントで「Windows Azure」の詳細な内容を明らかにした一方、米Salesforce.comも自社イベントで既存サービスの強化とともに企業向けSNSを実現する新サービス「Salesforce Chatter」を発表。企業向けクラウドサービスで競合する両社が激しく火花を散らせた。
さらに日本でも、日本IBMがクラウドサービスの事業化を支援するコンサルティングサービスを開始。ソフトバンクもクラウドサービス事業への本格参入を発表するなど、これまでにも増してクラウド関連のニュースが目立った。
そんな中、先週18日に米Dellの日本法人であるデルのジム・メリット社長に話を聞く機会を得たので、同社のクラウドサービス事業の展開におけるスタンスや、競合他社との差異化ポイントについて質問した。
まず、クラウドコンピューティング事業のスタンスとして、クラウドサービスを展開するプロバイダーにサーバやストレージなどの製品を提供するだけでなく、自らもクラウドサービスプロバイダーとして事業を行っていくのかを聞いたところ、メリット社長はこう答えた。
「その通り。まずパブリッククラウドを中心としたサービスプロバイダー向けには、サーバやストレージをはじめとしたITインフラを提供していく。すでにGoogleやYahoo!、Facebookといった有力サービスプロバイダーの多くがDellのITインフラを活用しており、パブリッククラウド向けのITインフラではDellがトップシェアだと確信している」
「一方、プライベートクラウドの分野においては、Dell自身もサービスプロバイダーとして事業を拡大していく。Dellは企業向けの事業方針として、ユーザーのIT環境の自動化を支援することを掲げており、プライベートクラウドに向けたサービス提供は当然の流れだ」
この事業スタンスについては、今年3月に来日して記者会見を行ったDellのマイケル・デルCEOも同様に「コンシューマーや中小企業向けにクラウドサービスを提供するプロバイダーに対しては、必要とされるITインフラを提供していく。一方、大企業向けにはプライベートクラウドに必要なサービスを幅広く提供していく」と語っている。
では、具体的にどのようなサービスを提供していくのか。
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