「Symbian」と「Snow Leopard」をサポートした「Qt 4.6」が登場

Nokiaは、オープンソースのクロスプラットフォームUI/アプリケーション開発フレームワーク「Qt 4.6」を発表した。Symbianなどが対応プラットフォームに加わったほか、グラフィック機能などが強化されている。

» 2009年12月02日 13時30分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
SourceForge.JP Magazine

 フィンランドNokiaは12月1日(オスロ時間)、オープンソースのクロスプラットフォームUI/アプリケーション開発フレームワークの最新版「Qt 4.6」を発表した。携帯電話向けOS「Symbian」など対応プラットフォームが増え、グラフィック機能も強化されている。

 最新版の特徴は主として、対応プラットフォームの増加、グラフィック機能の強化、マルチタッチ対応の3つとなる。

 Qt 4.6では対応プラットフォームとして初めてSymbianに対応したほか、Mac OS X 10.6 Snow Leopardや現在開発が進められているLinuxベースのスマートフォンOS「Maemo 6」もサポートした。これにより、モバイルアプリケーション開発者はSymbianとMaemoの両方に対応するアプリケーションを作成できる。このほか、リアルタイムOSであるVxWorksやQNXのコミュニティーサポートも提供される。

 また、Qt Mobilityプロジェクトで開発中の「Qt API」も同日に公開された。Qt APIは位置情報や各種メッセージング機能、連絡先リスト、ネットワーク設定機能などにアクセスするためのAPI。

 グラフィック機能関連では新たに「Animation Framework」が搭載されたほか、半透明やドロップシャドウといったグラフィックエフェクト機能も新たに追加された。また、マルチタッチとジェスチャーにも対応、フリック入力などのインプット手法を用いたアプリケーションやUIを開発できるという。

 画面レンダリングエンジンである「Qt GraphicsView」やOpenGL描画エンジン、WebKit、OpenVGを利用する2Dベクトルグラフィックエンジンなどの最適化やDirectFBのサポートなどにより、画面描画関連のパフォーマンスも向上。より複雑なUIをより高速に実行できるようになったという。

 無償版のライセンスはLGPLで、同社Webサイトからダウンロードできる。同梱するクロスプラットフォーム統合開発環境「Qt Creator」も最新版のバージョン1.3となっている。



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