偽プロフ、削除させるか無視するかネットファーザーの金言(2/4 ページ)

» 2009年12月14日 11時30分 公開
[吉田賢治郎,ITmedia]

偽プロフを削除させるか、無視するか

 わたしはサトルくんのお父さんに、この偽プロフについて「削除させるか、無視するか」をサトルくんと話し合って決めるように提案した。なぜわたしが判断せずにお父さんに決めてもらったのかというと、

  • 検討、決定をお父さんが行うことで、ネットいじめに対応できるスキルを身に付けていただきたい
  • 結果に対してわたしは責任をとれない
  • 親子で一緒に考え危機を克服することで、きずながいっそう深まる

 と考えたからだ。さまざまな映画やスポ根・恋愛ドラマ、そして歴史を見ても分かるように、外敵、悪、重大な危機、障壁、大きな夢に向かって努力する中で、チームや男女、親子のきずなはより深まるのだ。

 そしてわたしはお父さんに、偽プロフを削除するか無視するかの対応方法と判断基準も合わせて伝えた。

偽プロフを削除するか、無視するかの対応方法と判断基準(書籍より抜粋)

 (いじめを行っている人は)相手が慌てている、痛めつけられている姿を見て楽しむのです。逆に言うと学校裏サイトなどで誹謗(ひぼう)中傷コメントを書いても、

  • 他のコメントが付かず、いじめが盛り上がらない
  • コメントが素早く次々と削除されてしまう
  • 相手がいじめられていることに気が付かない
  • 相手が動揺しない

 といった場合には面白くないため、いじめは急速に収束に向かっていきます。この場合に重要なのは、「動揺したそぶりを見せずに、淡々と徹底的に対応する」ことです。徹底的な対応とは、

 削除する場合―徹底的かつ継続的に素早く削除する

 無視する場合―完ぺきに無視する

 ことです。どちらの対応をとるかは、以下を参考にして判断してください。

  • 第三者から見て明らかに個人が特定できる情報が書かれている場合は、誹謗(ひぼう)中傷の内容か否かに関係なく「個人情報の問題」として削除を依頼する
  • 本人の顔写真とわいせつな写真を組み合わせたような合成写真が掲載された場合は、「有害コンテンツ」として削除を依頼する
  • 親や先生が協力して、ほかのサイトへの波及や検索エンジンのページキャッシュも含め、素早く徹底的かつ継続的に対応できるなら、削除を依頼する
  • 書かれた内容に個人情報が含まれず、第三者が見ても特定の人を誹謗(ひぼう)中傷していることが明確に判断できない場合は、徹底的に無視する
  • 子どもが学校などの現実の世界でも他者の反応を無視することができ、精神的な負担が大きくならないと考えられる場合は、徹底的に無視する

 『子どもをネットから守り、ネットで育てる』より抜粋

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