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» 2009年12月15日 08時45分 UPDATE

景気停滞はむしろ追い風になる――英SophosのCEO

セキュリティ企業の英Sophosは、景気停滞に伴う企業のIT投資が冷え込む中で、日本市場での売り上げ拡大を表明している。同社が強気の戦略を描く背景を同社CEOのスティーブ・マンフォード氏と日本法人社長の堀昭一氏に聞いた。

[國谷武史,ITmedia]

 法人向けセキュリティビジネスを手掛ける英Sophosは、今年2月に開いた事業説明の場で2012年に日本での売り上げを4倍に拡大する戦略を表明した。景気停滞に伴う企業のIT投資が冷え込む中で、同社が強気の姿勢を日本で打ち出す狙いについて、同社CEOのスティーブ・マンフォード氏と日本法人社長の堀昭一氏に聞いた。

ITmedia 日本のセキュリティ市場には数多くの国内外のベンダーが参入しています。なぜ、日本市場に注目するのでしょうか。

マンフォード 他社も同様だと思いますが、やはり日本は世界の中でも大きな市場の一つであるだけに、日本での成功がビジネスにとって不可欠だと言えます。これまで地元の欧州市場に注力してきたため、日本市場への参入は2000年と他社よりも遅れてしまいました。これまでは、まず信頼やブランドを確立することを目的に地道な活動に注力してきました。

ITmedia 世界的に景気が停滞する中で日本のIT投資も冷え込んでいます。厳しい市場環境でどのような事業計画を考えていますか。

マンフォード 具体的には、全社売り上げに占める日本の割合を今の5%から2012年に20%にするものです。日本市場の規模を考慮すれば、まだまだ成長できる可能性が十分に残されています。日本の顧客セグメントは企業が5割、政府や公共団体が4割、大学などの教育機関が1割で、今後もこの割合を変えることなく各セグメントを大きくしていくつもりです。

 景気の低迷は、当社のビジネスにとって幸いにも追い風となっています。われわれが訴求できるのは、広範なOSプラットフォームをサポートしていること、クライアントやサーバなどのエンドポイントに求められるセキュリティ対策に特化していることがあります。

 多くの企業や組織でIT予算が削減されていることで、設備を更新できないといったケースが増えています。一方ではベンダーが古い製品のサポートを終了してしまい、ユーザー企業が既存のシステムをどう保護すればいいかという課題に直面しました。

 われわれはWindowsやMac、Linux、UNIXといったあらゆるプラットフォームのエンドポイントを一元的に保護する戦略を取り続けており、古いプラットフォームにも可能な限りセキュリティを提供するようにしてきました。その結果、企業や組織が今のセキュリティニーズに合致したのだと考えています。

ITmedia 日本法人では計画を達成するためにどのように活動していますか。

 まずパートナー企業との関係を見直し、当社の目標を一緒に成し遂げられるパートナーとの意思確認を徹底しました。現在のような市況での目標達成は容易ではありませんが、お互いに成長するためにはそれなりの投資負担とリスクを抱えてでもがんばろうというものです。

 また、社員全員にスマートフォンを持たせて社外でも円滑に業務をできる体制にしました。顧客やパートナーと関係をより深める上では、毎日わざわざ会社から出かけていくよりも、自宅から相手先に向かう方が効率的ですし、ITの発展でそれが可能になりました。原則として社員の打ち合わせはすべて電話会議にしています。会社内に偶然メンバーがいれば顔を合わせて会議するという状況ですね。

sophosceo.jpg 日本在住の経験もあるというマンフォード氏(左)と堀氏。成長計画の達成に自信があると強調する

ITmedia 事業計画は順調に推移していますか。

 2008年に比べて今のところ4割近い成長を達成していますが、まだ助走段階にすぎません。2009年はまず5割に伸ばす計画のため、サポートのさらなる拡充や優秀な人材の確保も進めています。業務環境を改善したことで、幸いにも過去数カ月で数多くの人材が参加し、これまで当社を牽引してきた人材と一緒に活躍するようになりました。

ITmedia 今後、企業のセキュリティ対策ではどのような課題が注目されますか。Sophosとしてどのような展開を考えているのでしょうか。

マンフォード 社外で業務するモバイルワーカーや、よりオープンなシステム環境の普及によるセキュリティ管理の難しさ、そして、社員がSNSなどのWeb 2.0サービスを積極的に利用することでの情報漏えいのリスクがあるでしょう。

 課題はそれぞれ異なるようにみられますが、いずれもエンドポイントが介在しているため、エンドポイントで対策が重要になります。これまで当社はエンドポイントの保護に注力しており、マルウェア防御からデータ保護、デバイス制御(ポリシーベースでの周辺機器などの利用制限)といった対策を包括的に提供してきました。

 今後もエンドポイントの保護に集中し、企業経営に影響しかねない情報漏えいといった重大なリスクからユーザーを守ることへ注力していきます。

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