トレンドマイクロ、企業の仮想化・クラウド化を保護する事業戦略を発表

トレンドマイクロは、2010年の法人市場向け事業戦略ならびに、仮想サーバや物理サーバなどを包括的に保護する新ソリューションを発表した。

» 2010年01月21日 16時06分 公開
[國谷武史,ITmedia]
大三川氏

 トレンドマイクロは1月21日、2010年の法人市場向け事業戦略ならびに、サーバ向けセキュリティ対策の新ソリューション「Trend Micro Deep Security 7.0」を発表した。

 まず事業戦略では取締役日本地域担当の大三川彰彦氏が、クラウドコンピューティングや仮想化など、企業で注目される新たなITシステムの利用形態に合わせたセキュリティ対策を提供していくと表明。戦略的商材の展開や他社との協業をグローバルで展開し、国内および欧米市場での成長を計画する。

 具体的には、仮想化を進める企業やサービス事業者のデータセンター向けソリューション、仮想化システムにノウハウを持つ企業との連携、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)形態などを通じたセキュリティサービス、ネットワーク接続型デバイスの保護などを掲げる。

 大三川氏は、2005年から構築を進めるオンライン型の脅威分析システムや、企業システム内部の潜在的なITセキュリティリスクに対処するサービスなどの戦略的商材が、本格的な仮想化やクラウドコンピューティング時代に対応するものだと説明。売上構成比を2009年の数%から2010年は18%に高めるのが目標だという。

 協業面で同氏は、「グローバルベンダー各社との強固な戦略的関係を構築していく」と話し、ITインフラの広範な分野で同社の存在感を高めていく狙いを明らかにした。グローバル化では特に中南米やアジア太平洋地域での販売強化を図る。

 Trend Micro Deep Security 7.0は、物理サーバや仮想サーバを包括的に保護する仕組みとして、IDS・IPS(不正侵入検知・防御)とWebアプリケーション保護、ファイアウォール、改ざん検知、ログ監視の5つの機能を提供。2009年4月に買収したThird Brigadeの技術をベースにトレンドマイクロブランドで3月1日に発売する

 ソリューション構成は、サーバにインストールする「Deep Securityエージェント」と、VMware vShere4で動作する「Deep Security Virtual Appliance」、管理ツールの「Deep Security マネージャ」の3つ。特にDeep Security Virtual Applianceは、VMwareが限定して提供するAPI(VMsafe)を介して、エージェントを使わずに複数のゲストマシンを一元的に保護する。ゲストマシンが抱える脆弱性を保護する「仮想パッチ」機能などが利用でき、運用面で実際にパッチの適用が難しいシステムを保護するという。

サーバを取り巻くセキュリティ脅威(左)と新ソリューションの構成

 Deep Securityエージェントの対応プラットフォームはWindowsやLinux、Solaris、UNIX、仮想化環境(ESX、Hyper-V、Xen)など。価格は、Deep Securityが1マシン(物理サーバおよび仮想マシン)当たり8万4000円、Deep Security Virtual Applianceが1CPU(最大8コア)当たり23万円、Deep Security マネージャが237万5000円(いずれも税別)。2010年度中に4億円の売り上げを見込む。

 説明したマーケティング本部長の九里禎久氏は、「セキュリティ専業の立場から物理環境や仮想環境を問わず広範なプラットフォームを保護できる仕組みを用意できた。今後も現行製品との統合管理化やサービス形態での提供など計画している」と話している。

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