しんこちゃんは門田君と個別に面談しました。
しんこちゃん 最近どう? 担当してもらっているプロジェクトはうまくいっているかしら?
門田君 いえ、あまりうまくいっていないので悩んでます。実は……。
実は技術に詳しい門田君は、ほかのメンバーよりも早く開発中のシステムの不具合に気が付き、注意を促していました。しかし「ここは問題がある」「ここがまずい」と批判的な口調で話すので、周囲の反感を買っていたのでした。
門田君がプロジェクトを成功させたいと願っていること、だからこその否定的な発言であることが分かりました。また門田君は、しんこちゃんも加わった情報共有の場を定期的に作ってもらいたい、という希望も持っていました。
しんこちゃん 門田君がいろいろなことを考えていたのに気が付かなくてごめんね。それから情報共有についても了解。どういうタイミングでやるかを急いで決めるね。それと、わたしから門田君へのアドバイス。問題点について話すときは、指摘するよりも解決策を出してみるといいよ。
門田君 そうですね、やってみます。しんこリーダー、ありがとうございます。
しんこちゃんは輩田さんと相談して、チーム全体で意識合わせをするミーティングを定期的に開催することにしました。発言時には批判ではなく解決策を出すことを徹底したところ、門田君の考えがほかのメンバーに伝わり、皆の顔つきも変わってきました。
しんこちゃん 輩田さん、おかげさまでチームが良い雰囲気になってきました。忙しいからと放置したわたしもいけなかったし、門田君も前向きな発言が少なかったことを反省してくれました。
輩田さん よかったよかった。どうせ仕事をするのなら、明るく楽しく前向きに、がポイントだものね。ついでだが、今回のきっかけになった問題児をどう扱うかの話の続きをしておこう。
問題行動が激しくてどうしようもないときは、ほかに移動してもらうとか、やめてもらうという方法もあるにはある。けれども、そうすることによって生まれる悪影響は計りしれない。メンバーが「自分も不要になったら捨てられるんじゃないか」という思いを抱くかもしれないし、会社のイメージがマイナスになるかもしれない。問題児の何が悪いのかではなく、問題はどこにあるのかを冷静に判断して、問題の影響が広がる前に対処することが必要だね。
しんこちゃん はい。この人は問題児だと判断をする前に、しっかり状況を把握して、本当に当人の問題かどうかを見極めなければならないですね。
組織の問題を解決することは、リーダーの仕事だ。問題行動を行う人がいるときは、以下の点に気を付けて対応しよう。
しんこちゃん そういえば、輩田さんも新入社員のころは相当問題児だったそうですね。
輩田さん ああ、わたしね。笑い声が大きすぎて、周りの人がみんな頭痛持ちになってしまったんだ。初ボーナスで買った耳栓を周りの人に配って問題解決ってやつさ。うわっはっはっはっ、うわっはっはっはっ、うわっはっはーーーっ!!!
しんこちゃん うわ、耳がキンキンしてきました。その耳栓わたしにもくださーい。
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日本シー・エー・ディー株式会社代表取締役社長・現役プログラマー。
多趣味で話し好きで説教臭い。
ITmedia オルタナティブ・ブログの「プログラマー社長のブログ」執筆中。
著書に、「プログラミングでメシが食えるか!?」、「プログラミングでメシを食わせろ!!」など。
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