NECが自社ブランドのDWHアプライアンスを投入Netezzaと共同開発

NECは、自社ブランドのデータウェアハウス(DWH)アプライアンスを4月に投入すると発表した。

» 2010年02月04日 11時00分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 NECは2月4日、自社ブランドのデータウェアハウス(DWH)アプライアンスを4月に投入すると発表した。同分野で先行する米Netezzaからソフトウェア技術のOEM提供を受け、共同開発した。

 製品名は「InfoFrame DWH Appliance」。NECのブレードサーバ「SigmaBlade」やストレージ製品「iStorage」、サーバ製品「Express5800」といったハードウェアと、処理の高速性が売りのNetezzaのデータベースソフトウェアなどを組み合わせ、1台のアプライアンスを構築する。

NECの石井吉之氏(左)とNetezza日本法人のダグラス・エッツェル社長

 NECのITプラットフォームソリューション事業部 Decision Navigatorソリューショングループのグループマネジャーを務める石井吉之氏は、データベースなどのソフトウェアとサーバやストレージなどのハードウェアが一体になって処理することによって「従来よりも10倍〜50倍程度も処理スピードが速い」と指摘する。

 米Netezzaの日本法人は2009年8月、IBMのブレードサーバにNetezzaのソフトウェアを組み合わせて処理速度を高めたアプライアンス新製品「Netezza TwinFin」を発表している。TwinFinは標準技術を基盤にしていることを特徴としており、IA(インテルアーキテクチャ)系サーバ製品などを持つNECも同様の取り組みが可能と判断した。

 NECは2006年からNetezzaの販売代理店契約を結んでおり、4年間で24社30台の販売実績がある。このうち半分に当たる15台を2008年度に売っており、DWHアプライアンスへの顧客ニーズの高さを認識したという。ExadataをリリースしたOracleや、Teradata、IBMなどのライバルベンダーが既にDWHアプライアンスに取り組んでおり、利幅の高い自社製品をNECもいち早く投入する必要があった。

 NECは新製品を、DWHのハイエンド領域をカバーするものとして位置付けている。システム案件価格が数百万円から数千万円程度のOracle 11g DatabaseやSQL Serverよりも、数千万から数億円に達する案件向けに提供する。例えば、銀行やコンビニエンスストアなど事業規模が大きい企業を対象としている。実際には、他社製を含め既にDWHを導入している企業のリプレース需要を中心にしながら、NEC製のホストコンピュータを利用する組織や企業なども販売対象として期待している。

 価格は5300万円から。NECは今後3年間で150セット以上の販売を目指している。当初販売体制は、国内営業ビジネスユニットの営業担当者を中心に、ITプラットフォームビジネスユニットの専任営業支援部隊10人、システム構築支援部隊20人としている。1次サポートはNEC、ソフトウェアについての2次サポート以降はNetezza、ハードウェア保守はNECフィールディングに委託する。

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