変化する情報システムのパラダイム戦略コンサルタントの視点(3/3 ページ)

» 2010年02月16日 12時00分 公開
[大野隆司(ローランド・ベルガー),ITmedia]
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「凝る」ことと「それなり」のメリハリ

 このことは、企業が「凝る」情報システムと「それなり」でかまわない情報システムを今後は冷静に識別していくことを意味します。特に「それなり」については、独自仕様や独自サービスにはもはやこだわらず、「出来合い」で充分であり、さらには同業他社と共有、共同利用する流れも加速していくと考えます。従って、ここでは価格対サービスレベルが最大の選定要因になってきます。

 こうした考え方が広がるのは「どこの製品でも大して違いがない」という認識を多くの企業が持ち始めているからといえます。ITベンダーが自社製品やサービスの特徴を訴えても、企業は15年の経験からどうしても懐疑的になってしまうのです。

これからの連載に当たって

 今後の連載では、企業の情報システム(部門や子会社)の将来、情報システム業界構造の変化や将来戦略、ソリューションの落とし穴などのテーマを取り上げていきます。ややシニカルな印象になったかもしれませんが、変化に向き合わなければさらにきつい状況に直面することになります。ローランド・ベルガーは、日本企業や各産業界を元気にしていくことこそが最も重要だと考えています。多くの読者にヒントを与えようと、気合をいれています。


ローランド・ベルガーについて

ローランド・ベルガーはドイツを起源に、高度なプロフェッショナルサービスを展開する戦略コンサルティング・ファームです。設立以来40年以上にわたり、自動車や消費財などの製造業、金融、流通、通信・情報技術などのサービス業においてグローバルな視点でのコンサルティングサービスを提供しています。

著者プロフィール:大野 隆司(おおの りゅうじ) 株式会社ローランド・ベルガー パートナー

大野 隆司

早稲田大学政治経済学部卒業後、米国系戦略コンサルティングファーム、米国系総合コンサルティング・ファーム、米国系ITコンサルティング・ファームを経て現職。電機、建設機械、化学、総合商社、銀行など幅広い業界の大手企業において、事業戦略、オペレーション戦略、IT戦略の策定などを手掛ける。



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