世界で勝つ 強い日本企業のつくり方

世界で勝つにはキャッシュの管理が不可欠世界で勝つ 強い日本企業のつくり方(3/3 ページ)

» 2010年02月26日 08時00分 公開
[竹内史尚(アビームコンサルティング),ITmedia]
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中長期的視点にたち企業競争力に寄与(まとめ)

 目前の課題や規制・税といった壁に目をとらわれ、二の足を踏む企業は多い。これでは、海外への事業の急拡大を続ける事業部門を十分サポートできない。

 前節で、グローバル財務基盤整備には、それらを支える「人材」育成が欠かせないという話をした。人材は一朝一夕には育たない。中長期視点にたち、まず第一歩を踏み出すことで、知見やノウハウが自社内に蓄積し、組織能力に厚みをもたせることが可能となる。

 IBMが実施した世界の主要業界のCFO(最高財務責任者)を対象とした調査結果が発表されていた。この調査によると、財務機能を統合管理できている企業は、できていない企業に比べ、過去5年間の成長率/株価の上昇率が高い。グローバル財務基盤の整備に向けた施策の積み重ねは、多少のタイムラグが生じるとはいえ、企業の競争力に大きく寄与するものといえる。

 日本企業においては、近視眼的な費用対効果にのみとらわれるのではなく、中長期の視点に立った、思い切った施策の実行を期待したい。グローバル競争を勝ち残るためには、よい組織とよい事業戦略はもちろんのこと、それらを支える磐石な財務基盤が必要であることをここでいま一度強調しておきたい。

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