高度な分析やエントリー向けDWH製品を展開、ネティーザの事業戦略

日本ネティーザは2010年度の事業戦略を発表し、高度な分析やエントリー向けのDWH製品を新たに展開することを明らかにした。

» 2010年03月03日 19時27分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本ネティーザは3月3日、2010年度の事業戦略を発表し、高度な分析を可能にするデータウェアハウス(DWH)ソフトやエントリー向けのDWHアプライアンスを新たに展開すると表明した。

 新たな事業戦略の柱は、製品ラインアップの広がりと顧客層の拡大、パートナーシップの強化の3点。製品ラインアップでは、2009年8月に発表した第4世代DWHアプライアンス製品「Netezza TwinFin」向けのオプションのソフトウェア「TwinFin i-Class」、DWHアプライアンスのエントリーモデル「Netezza Skimmer」をそれぞれ投入する。

2010年度に計画する製品ライン

 TwinFin i-Classは、企業で分析業務を手掛ける担当者の業務効率を向上させる。同社技術本部長の法華津誠氏は、「経営分析や需給分析などでは担当者が幾つもの算出モデルを組み立て、実際のデータを当てはめて検証を繰り返している。i-Classはこの作業の多くを自動化し、作業効率を変革するだろう」と説明した。

 i-Classでは、SASなどの分析ツールのモデリングのロジックをDWH内に取り込み、IBM BladeCenterサーバにFPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載するNetezza DBアクセラレータを組み合わせた「Sブレード」による並列処理で行う。これにより、モデル構築の自動化と検証に伴うデータの移動がなくなり、作業時間が数日から数分程度へ大幅に短縮されるという。

i-Classによる処理イメージ

 また、i-ClassではJavaやPythonなど多くの言語をサポートする計画。法華津氏は、「DWHアプライアンスは、大規模データを使った高度分析を可能にする新たなプラットフォームへ進化していく」と話した。

 Netezza Skimmerは、7Uサイズのラックマウントモデルで、これからDWHアプライアンスの導入を検討する中堅・中小企業での利用を見込む。内部にはTwinFinと同様にSブレードを実装でき、テラバイトクラスのデータを処理できる性能を安価に提供するとしている。

 代表取締役のダグラス・エッツェル氏は、「2005年の日本法人設立からのべ50社以上に納入しており、最近では既存顧客から増設やさらに活用したいという声が強い。DWHアプライアンスの新規に検討する企業も増え、製品ラインの拡充でこれらのニーズを取り込む」と述べた。

納入先顧客企業のリスト

 パートナー面では2月にNECとの包括提携を結んだ。NECはSigmaBladeなどにネティーザのソフトウェア製品を組み込んで展開する予定で、エッツェル氏はグローバル市場でNECのハードウェアを利用した製品展開に期待感を表明した。

 DWHアプライアンス市場では、TeradataやOracleなど大手ITベンダーが相次いで参入しており、シェア争いが激化している。今後の見通しについてエッツェル氏は、「顧客側からDWHアプライアンスを要望するような状況になり、白紙の状態からDWHアプライアンスのアーキテクチャを開発し続けてきたわれわれの強みをより発揮できるだろう」と自信を見せた。

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