Twitterで覆るコミュニケーション手法とその先伴大作の木漏れ日(3/3 ページ)

» 2010年03月24日 08時00分 公開
[伴大作,ITmedia]
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根底から覆るコミュニケーション手法

 今後Twitterが躍進を続け、コミュニケーション手段として発展を続けるとは断言できない。Twitterに新たな価値観を見いだし、参加した有名人は数多い。また、Twitterを有力な広告宣伝媒体として注目する広告代理店、コンシューマー製品のメーカーなどがあることは承知している。だが、携帯電話や電子メールを駆逐する勢いで一挙に普及するとは、僕はとても思えない。

 確かに、Twitterが持つブロードキャスティングのような特性を利用しない手はない。だが現在、TwitterはPCとiPhoneからの利用者が多い。ほぼ限られた世界において、過度の広がりを期待する方が無茶だ。

 ただし、2010年の夏から本格的にオペレーター各社が出荷を開始するAndroid搭載のスマートフォンにおいては、Twitterがコンテンツの主役に躍り出るのは間違いない。携帯電話の標準的な買い替え寿命は2、3年といわれている。今年の夏商戦で、iPhoneを加えたスマートフォン市場が期待通りに盛り上がれば、Twitterも爆発的に普及する可能性があるといえるだろう。

 その場合、Twitterと併せて、4インチ以上の大画面を搭載したスマートフォンが次世代コミュニケーションの主役になる。既にラジオをネット上で配信する試みが始まっているが、この動きはテレビにも及ぶ可能性が高くなる。画像、映像、音楽、音声、テキストなどのあらゆるデータを1つの端末でやりとりする時代は、すぐそこに迫っているのだ。

 当然企業も、大きな変化を遂げるコミュニケーションのありさまに対応を迫られる。対応を誤った企業に未来はない。

その先にあるもの

 僕は幾つかのテーマを長らく追いかけるのを得意にしている。それはネットワークであり、グラフィックス(いわゆるマルチメディア)、高性能コンピュータ(グリッドコンピューティングやクラウドコンピューティングを含む)、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)、SNS・ブログ、グループウェアなどだ。かなり絞られたテーマを追いかけてきたが、Twitterはどのカテゴリーに属すのか。

 1つは間違いなくSNSだろう。Twitterの創業者の一人であるビズ・ストーン氏はGoogleのブログサービス「Blogger」を構築したメンバーである。彼は多くのインタビューにおいて、Twitterは電子メールのようにコミュニケーションツールとしての性格を強く持っていると答えている。

 今のところ、セキュリティやAPIの関係でコーポレート(企業)の利用は実験段階だが、やがて対応するに違いない。Skypeのように電話の代替は目指さないが、音声メッセージには対応していくだろう。つまり、ユニファイドコミュニケーションのツールとなる可能性が非常に高いのだ。

 現在多くの企業で使われている閉じられたメールサービスの価値はどうなるのだろうか。Twitterは、多くの企業でまひ寸前に陥っている「添付ファイル」という電子メールシステムの救世主になる可能性もある。逆に、情報漏えいを簡単に引き起こす可能性から、追放されるかもしれない。

 いずれにせよ、Twitterは消費者、そして企業が注意を払わなければならないテクノロジーであることに間違いはなさそうだ。



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