LotusLiveが生み出すコラボレーションの新たな生態系――ブロガーも期待を寄せるITmedia ブロガーズ・ミーティング リポート

日本IBMの次世代コラボレーション・エバンジェリスト 森谷直哉氏が、ITmedia オルタナティブ・ブログ主催のブロガーズ ミーティングで「LotusLive」を紹介。電子メールに代わる企業間コミュニケーションの可能性を伝えた。参加したブロガーからは、企業向けコラボレーション基盤としての期待が寄せられた。

» 2010年04月06日 10時00分 公開
[ITmedia]
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 2010年3月18日、東京・大手町のアイティメディア本社で、ビジネスブログ・メディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」が主催するブロガーズ ミーティングが開催された。イベントでは、日本アイ・ビー・エム(日本IBM) ソフトウェア事業 Lotusテクニカル・セールス&サービス 次世代コラボレーション・エバンジェリストの森谷直哉氏が、「LotusLiveが作るスマートな働き方」と題したプレゼンテーションを実施。企業のコラボレーション(協同作業)を推進するLotusLiveの可能性を伝えた。

image ブロガーズ ミーティングの様子。当日は11人のオルタナティブ・ブロガーが集まり、LotusLiveの可能性について議論した

パブリッククラウドだからできるコラボレーション

 メインテーマの「IBM LotusLive」は、組織の壁を越えたコラボレーションを実現する企業向けのクラウドサービスである。森谷氏はLotusLiveの特徴として、「パブリッククラウド」「コラボレーション」「企業向け」「先進テクノロジー」という4つを挙げる。

 多くの企業は、他社との情報共有やプロジェクトの進行において、電子メールや電話を利用しているだろう。これを補完するものとして、森谷氏はLotusLiveが持つ「パブリッククラウド」という特性を強調する。

 LotusLiveは企業間で安全に情報を交換したり、議論したりできる場をインターネット上に用意する。社内外を問わず、ネットワーク接続されたあらゆる場所からアクセスできる点が強みだ。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)のため、専用のシステムを企業ごとに構築する必要はない。「SaaSであるLotusLiveだからこそ、企業間のコラボレーションが実現する」(森谷氏)

電子メールと電話を補完する機能群

 2つ目のキーワードは「コラボレーション」だ。通常、社外の企業と情報をやりとりする場合には、電子メールを使うのが一般的だ。だが、電子メールには業務効率の低下を招いてしまう一面もある。

日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 Lotusテクニカル・セールス&サービス 次世代コラボレーション・エバンジェリスト 森谷直哉氏 日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 Lotusテクニカル・セールス&サービス 次世代コラボレーション・エバンジェリスト 森谷直哉氏

 添付ファイルは、電子メールでやりとりしにくいデータの1つだ。通常、メールボックスには容量制限があり、ファイルの添付はそれを圧迫する。数人で資料を共有し、編集した添付ファイルを送信する、といったことが繰り返されると、閲覧したい電子メールが埋もれてしまったり、最新の添付ファイルを判別できなくなったりする。

 電子メールは、タスク管理やディスカッション(議論)にも向いていない。タスク管理にグループウェアを導入したにもかかわらず、進ちょくを電子メールで知らせ合うといった企業も少なくない。複数人が電子メールでディスカッションをするプロジェクトの場合、新メンバーが加わった時にこれまでの内容を正しく伝えるのは、骨の折れる作業だ。

 近年、業務の生産性を高める「リアルタイムな情報共有」に注目が集まっている。チャットやインスタントメッセージング、Web会議などが主なツールだ。これらのコラボレーションは、電子メールでは実現できない。

 それに対し、LotusLiveはあらゆる情報共有の場面を想定し、コラボレーションに関する包括的な機能を提供する。サービスの主なラインアップは4つ。ファイル共有やタスク管理、チャット機能などを提供する「LotusLive Connections」、Web会議や電話会議連携機能を持つ「LotusLive Meetings」、ConnectionsとMeetingsを合わせた「LotusLive Engage」、簡易版のWebメールやカレンダー機能を備える「LotusLive iNotes」だ。

 企業は、電子メールを補完し、自社のビジネスに必要なコラボレーション機能をサービスとして利用できる。「これまで企業は、コラボレーション環境の構築に専用サーバを用意したり、データセンターのホスティングサービスを利用したりしていました。クラウドサービスであるLotusLiveにより、情報システム活用の選択肢が広がります」と森谷氏は話す。

企業利用へのこだわり

 3つ目のキーワードは「企業向け」である。LotusLiveは、既存システムとの連携に着目したアーキテクチャ(基本設計)を採用している。2010年に公開を予定している各LotusLiveサービスのオープンAPIの整備はその一環だ。このAPIを通じて社内システムと連携させれば、既存システムからLotusLiveのWeb会議を活用する――といった使い方もできる。

 社内システムで認証を済ませると、そのままLotusLiveが利用できる「認証連携」の仕組みも取り入れている。ユーザーは、既存のシステム環境の延長としてクラウド上のLotusLiveを利用できる。認証連携は、自社運用型システムとLotusLiveを組み合わせる「ハイブリッド型のコラボレーション環境」の構築に一役買うだろう。

 LotusLiveのライセンス方式には、「ゲストユーザー」という考え方を採用している。LotusLiveのユーザーがほかの利用者を招待すると、招かれたユーザーは無償でファイル共有やタスク管理などの一部の機能を、限られた容量制限で使えるようになる。LotusLiveユーザー以外の外部ユーザーとの連携も考慮したライセンスの仕組みだ。

 このように、LotusLiveでは、クラウドサービスの利用において企業が抱える懸念を払しょくする機能に磨きを掛けている。今後は既存システムとLotusLiveのさらなる連携を進めていくという。「ハイブリッド環境の中で、ファイルサーバやLotusLive上のデータ、電子メールの添付ファイルを1画面上で閲覧できるユーザーインタフェースの開発も考えています」と森谷氏は述べる。

IBMの最新テクノロジーを体感できる場

 LotusLiveでは、米IBMの研究所で開発した先進技術を公開する「LotusLive Labs」という機能が提供されている。IBMの技術を利用者にいち早く体験してもらうことが狙いだ。LotusLiveは、4つめのキーワードである「先進テクノロジー」とも密接に結び付いている。

 現在LotusLive Labs上では、4つのプロジェクトを公開している。その1つであり、新機能として開発が進められている「Collaborative Recorded Meetings」は、LotusLiveのWeb会議用に用意された録音・録画機能で蓄積したデータに音声処理/自然言語処理技術を適用し、テキスト検索できるようにするものだ。会議に加え、e-ラーニング教材などの膨大なマルチメディアコンテンツから、ユーザーが必要とする情報を探し当てるといった用途が考えられる。

 「LotusLive Labsは、プレビュー版として公開されたテクノロジー群であり、LotusLiveの利用者なら誰でも閲覧、試用できます。IBMでは、LotusLiveにこうした場を設けることで、IBMのビジョンや先進的研究の成果を伝え、利用者からフィードバックをもらい、製品・サービス化に生かしていきます」(森谷氏)

ブロガーからも期待が集まる

 LotusLiveで実現する新たなコラボレーションや働き方は、イベントに参加したオルタナティブ・ブロガーにはどう映ったのか。ディスカッションの場では、活発な意見交換が行われた。

 オルタナティブ・ブロガーの一人は「Web会議、ファイル共有、タスク管理、アンケートなど各種サービスが統合されていることは非常にありがたい。需要は少なくない」と話す。日本IBMでは、コラボレーションツールを駆使して場所にとらわれずに業務を実行する「スマートな働き方」を提唱している。このコンセプトは、あらゆる情報のやりとりを想定したLotusLiveとも親和性が高い。

 別のブロガーは「既存の情報システムや資産をLotusLiveでも展開できるほか、同一の企業でも部門や職場によってサービスの組み合わせを変えられる。ユーザー企業にとってはメリットになるだろう」と見る。

 クラウドサービスと既存システムの共存に長けたLotusLiveは、大企業のニーズに応えられるサービスだ。また、多額の投資が必要なコラボレーションツールは、IT予算が少ない中小企業にとって導入のハードルが高い。だがSaaS型のLotusLiveなら、従来のツールよりも低コストで導入できる。コラボレーションを強化したいと考える中小企業にとって、「Lotus」製品は新たな選択肢になり得る。

 「Twitterがコミュニケーションの新たな手段や場となったように、LotusLiveがあらゆる仕事を集約する場になるかもしれない。専門技術の担当者をLotusLiveで探したり、働いた成果をLotusLiveに蓄積したりするといった、(仕事の)新たな生態系が生まれる可能性もある」など、LotusLiveの可能性にも期待が寄せられた。


 こうした要望に応えるべく、LotusLiveは進化を続けていく。具体的には、継続的に進める機能の拡張。現在は、オンライン上で複数人が文書を共同作成できる「Project Concord」をLotusLive Labsに拡充したり、LotusLive Engageにコミュニティー機能を追加したりする予定だ。iPhone、BlackBerryなどのモバイル端末への対応も進めるなど、LotusLiveによるコラボレーション環境の拡張に注力する。2010年には、「Lotus Notes/Domino」のメール・スケジュール機能をクラウドサービスとして提供する「LotusLive Notes」も開始する見通しであり、幅広いサービスがラインアップされることになる。

 LotusLiveは今後も、企業間コラボレーションや新たなワークスタイルの可能性を引き出していくだろう。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2010年4月30日