静岡大学、情報システムへのログインや入退室の認証基盤を統合

静岡大学は、バラバラだった認証手段を指静脈とICカードで認証する方式に統合した。

» 2010年04月15日 14時53分 公開
[ITmedia]

 静岡大学は、国公立大学では初めて学内情報基盤システムと建物や研究室の入退室管理を一元化した「生体認証統合システム」の実運用を開始した。システム構築を担当した伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が4月15日に発表した。

 同大学では、ユーザーが複数の情報システムへログインする際に異なるIDとパスワードの利用を求めていた。また1000以上ある部屋の入退室には磁気カードやICカード、テンキー入力など幾つもの手段を利用していた。異なるIDやパスワードを使い分ける方法は利用者の負担となっていた。シングルサインオン方式で統合することも検討したが、情報が漏ろうした場合に悪用される範囲が非常に広いという問題があった。

 部屋の入退室管理は各部署に任されており、1人で数十種類のカードを常時携帯し、多数のパスワードを記憶しておかなければならなかったという。このため同大学では、2009年11月に情報システムの利用や入退室の管理を指静脈とICカードで一元的に認証する方式へ移行することを決めた。

生体認証統合システムのイメージ

 新システムでは、部屋への入退室をICカードもしくは指静脈をセンサーにかざすだけで本人確認ができる。学内PCの利用では、新たに「指静脈認証自動パスワード発行機」を開発。機械にICカードと指静脈をかざすと一時的なパスワードが自動発行される。ユーザーは自分専用のパスワードを覚えなくて良いという。

 2010年度中に約2万人の学生、教職員の指静脈情報の登録を完了する。数年以内に学内の大半の部屋や建物の出入口に新システムの認証装置を設置する。また、証明書発行や出席管理、在宅勤務での本人認証、納品管理にも新システムを活用していく。

 システム構築はCTCのほか、NTT西日本静岡支店とフィット・デザイン・システムが担当した。

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