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» 2010年06月09日 13時35分 UPDATE

Process World 2010 Report:ビジネスとITが融合する時――Software AG

WebMethods、IDS Scheerの獲得により、BPMの包括的なソリューションを提供できるようになった独Software AGは、「ビジネス部門とIT部門の融合」が企業のビジネスを変えると提唱。これを「ビジネスプロセスエクセレンス」と定義し、ユーザー企業に訴求を図っている。

[藤村能光,ITmedia]

 現地時間の6月8日、独Software AGおよびIDS Scheerのユーザー企業向けカンファレンス「Process World 2010」がドイツ・ベルリンで開催された。2社の統合により実現する「ビジネスプロセスエクセレンス」が、企業の情報システムの最適化と経営戦略の実現を推し進めることが強調された。

 Software AGによるIDS Scheerの統合が発表されたのは2009年8月。それから1年弱を経て開催された同カンファレンスでは、2社による統合の好調さを裏付けるように、IDS Scheerのビジネスプロセス分析ソフトウェア「ARIS」が、同社のソフトウェア戦略にシナジーをもたらすことが語られた。

image マルチベンダー製品を統合できるARISにより、ビジネスプロセスエクセレンスが実現する

 基調講演に登壇したIDS Scheer AG 取締役のDr.ウォルフラム・ヨースト氏は「2社の統合は、企業におけるビジネスとITの融合をより加速させる」と話す。

 もともとSoftware AGは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やBPM(ビジネスプロセスマネジメント)、EBS(エンタープライズサービスバス)関連のソフトウェアを幅広く持っていた。一方で、データそのものやビジネスプロセスを分析するための製品群は拡充しきれていなかった。

 ビジネスプロセス分析に長けたARISを手中に収めたことで、ビジネス部門の最適化が可能になった。テクノロジー側の最適化をもたらすのが、2007年に獲得したビジネス統合基盤ソフトウェア「WebMethods」である。これにより、多くの企業が直面している「ビジネス部門とIT部門の融合」(ヨースト氏)をBPMの分野で実現できるとしている。

 ビジネスで革新をもたらすためには、部署やチーム内の人が一定のルール(プロセス)のもと、情報システムをうまく活用していくことが求められる。ビジネスとITの融合は、「有効なデータをビジネス、ITの両部門に行き来させ、ビジネスニーズを即座に把握できるようになる」(ヨースト氏)。この姿こそが、Software AGが提唱する「ビジネスプロセスエクセレンス」にほかならない。

Dr.ウォルフラム・ヨースト氏 IDS ScheerのDr.ウォルフラム・ヨースト氏

 ここでヨースト氏の言葉に基づいてビジネスプロセスエクセレンス実現の必要事項を整理してみると、(1)プロセスモデル、(2)アーキテクチャ/テクノロジー、(3)データモデル――の3つが浮かび上がってくる。これらの統合が、企業のビジネス部門とIT部門をつなげ、競争力を生み出す源泉になるという。

 Process World 2010での発表を受けたIDSシェアー・ジャパンの沖村一宏社長は「IT側で良いアプリケーションを提供しても、実際の業務で使われないと意味がない。こうしたずれを無くし、ビジネス面も含めて全体最適をうながすのがBPMの役割だ。企業の戦略からビジネスプロセスを定義し、ITが稼働する部分を自動化し、結果を常時モニタリングする。この全体最適こそがビジネスプロセスエクセレンスの姿である」と語った。

 ビジネスプロセスの改善を軸にしたビジネスとITの融合は、ユーザー企業にも確実に波及している。それを証明したのが、日本からProcess World 2010に参加したNECだ。

 同社は、基幹システムへの適用を進めている業務標準プロセスのプロジェクトを紹介。BPMに対する経営層の注力や業務プロセスごとに専門オーナーを設置するといった地道な改善を続け、人工衛星からPCといった幅広い販売プロセスの標準化などを進めることで、20%以上の間接部門のコスト削減につなげたという。同社のプレゼンテーションには多くの来場者が詰めかけ、日本国内のBPMが世界標準に達成したことを裏付けた。

image ビジネスとIT部門の架け橋を作る

買収戦略が奏功 成長路線を描くSoftware AG

 Software AGは、メインフレーム向けデータベース関連製品やSOA、BPMを軸としたソフトウェアを提供する企業として、ドイツではSAPに次ぐ規模の存在感を見せる企業だ。多くのIT企業が不況に見舞われた2009年においても、売上高が対前年比17%増、利益が同22%増と好調な業績を保っている。

 収益拡大に貢献したのは、大型の買収戦略だ。2007年に米WebMethodsを統合したことで、ビジネスプロセスの自動化やSOAを用いたシステム開発などのサービスを提供できるようになった。また2009年に獲得したIDS Scheerにより、ビジネスプロセス分析プラットフォームであるARISを手に入れた。

 同社は2011年までに、WebMethodsとARISを完全に統合するというシナリオを描いている。また、今後10年において、2〜4年に1度の割合で大型買収を行う計画もあるという。IDS Scheerを手中に収めた同社は、さらなるピースを求めた大型買収で新たな成長路線を描いていくのかもしれない。



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