リーダーは、明るく楽しくあきらめず〜ドジっ娘リーダー奮闘記制作者座談会祝、書籍化!(3/3 ページ)

» 2010年06月24日 11時30分 公開
[谷川耕一,ITmedia]
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金武 記事を制作するときに、心掛けていたことはありますか?

鈴木 とにかく悪人を作らないようにしようと考えました。たとえ変わった行動をする人がいたとしても、その行動には何らかの理由があるはずで、その理由について考える。その人に問題があるのではなく、その行動の奥に問題があると。

小俣 それはさすがですね。わたしはどんどん悪人を作ってしまいます(笑)。

本橋 この連載を3人で作り上げることができてよかったなと思っています。小俣さんは経営者や先輩役の輩田さんの視線、鈴木さんはリーダーであるしんこちゃんの視線、わたしは門田君や面野君の視線というように、それぞれの立場での考え方をキャラクターに反映できたのではないでしょうか。わたしは門田君や面野君の視線でイラストを描かなければなぁと考えていました。

 それと、イラストは文章の中の1カ所を描くわけですが、どこを絵にするかで文章の性格も変わってしまいます。なので、イラストが文章を変えてしまわないように心掛けていました。

鈴木 最初は絵にするシーンを指定していたんですが、途中からは本橋さんにお任せでしたね。

小俣 『任せる』というのは、ある種この連載のテーマでもありますから。

鈴木 ただし、輩田さんの『任せる』は、いわゆる丸投げとは違いますよね。信頼のもとにすべてを任せる、なので、わたしたちは本橋さんを信頼していたということです。

金武 最後に読者の皆さんに伝えたかったメッセージを教えてください。

小俣 連載のテーマは幅広く設定されていて、それぞれの回にメッセージがあります。それは、『輩田さんの喝!』の部分で表現しました。書籍では、『喝!』の部分を読むだけでも、リーダーのための教科書になるかもしれません。

 全体を通してのメッセージということでは、独裁的なリーダーは駄目で、メンバーが自発的に物事を進めるようにするのがいいってことでしょうか。それと、どんなにつらく苦労することがあっても、明るく楽しく働く。苦しいからこそ明るく働くことです。そのあたりのことは、輩田さんのキャラクターの中に表れていると思っています。

鈴木 明るく楽しくは、連載のテーマの1つですね。わたしがこの連載を読んでくれた人に感じてほしかったのは、「信頼するっていいことだよ」ということです。物語のメンバーも、作ってきたわたしたち3人も、お互いを信頼し合ってきた。何か課題にぶつかったときには、周囲を信頼し自分も信頼されるよう行動すれば、きっとうまくいく。何事も疑ってかかると、時間も手間も掛かってしまいますからね。

本橋 わたしが伝えたかったのは、さまざまなキャラクターが登場するけど、みんな同じ人間だということです。上司からすれば、新人は異星人かと思うほど理解するのは難しいかもしれません。しかし、それは立場や生きてきた時間が異なるだけで、自分にだって新人のころがあったはずです。理解しようとするなら、そのときの立場や時間に戻ってみればいいと思います。

 もう1つは、問題にぶつかったときに簡単にあきらめない、ということです。他人に対しても自分に対してもあきらめない。同じ人間同士、簡単にあきらめずにみんなで楽しくやっていきましょう、ということが伝わっていればいいなぁと思います。

本橋ゆうこさん 原画(手書き!)と本橋さん。手に持っているのは書籍の表紙

ドジっ娘リーダー奮闘記

ドジっ娘リーダー奮闘記

ドジっ娘リーダー奮闘記

著:小俣光之+鈴木麻紀(ITmedia エンタープライズ)

秀和システム

2010年6月24日

ISBN-10: 4798026530

ISBN-13: 978-4798026534

1260円(税込み)

新米リーダーのためのリーダー入門書。新米リーダーの「しんこちゃん」と先輩リーダーの「輩田さん」の二人の会話を中心に、リーダーに必要な考え方、振る舞い、思いを解説。しんこちゃんがどう考えるか、輩田さんがどう指導するのかを読みながら、リーダー職への理解を深めます。書籍でしか読めない「昔のしんこちゃん・輩田さん」「しんこちゃんと輩田さんのその後」も収録。


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