ハイエンドのDNAを受け継ぐ日立ミッドレンジストレージ:“ストレージの仮想化”が中堅・中小企業のクラウド導入を促進する

クラウドコンピューティングが注目される今、日立がストレージ分野において注力しているのが、ストレージ仮想化の段階的な適用だ。それを実現すべく、日立は仮想化機能を備えたミッドレンジ向けのストレージ製品「Hitachi Adaptable Modular Storage 2000シリーズ(以下、AMS2000シリーズ)」を提供している。新たにIAサーバ向けに「Hitachi Adaptable Modular Storage 2010(以下、AMS2010)」を追加するとともに、AMS2100/2300/2500でもエンハンスを実施した。


クラウドに欠かせないストレージ仮想化

oeda.jpg 日立製作所 RAIDシステム事業部 事業企画本部 製品企画部 大枝 高 部長

 ITへの投資・運用コストの削減、ビジネス環境の変化に即応できる柔軟性・導入スピードなどのメリットから、企業の情報システム部門では、クラウドコンピューティングに対する期待が高まっている。しかし、企業システムへの適用が進んでいるかと言えば、まだそこまでは行き着いていない。なぜならクラウドには、障害の影響が不明確なためデータの保全性を担保できないのではという不安、負荷が集中しても安定して処理が行えるのかという不安、さらには、自社の機密情報を外部事業者の管理下においても大丈夫かというセキュリティ上の不安があるからだ。

 そこでクラウドサービスを提供するデータセンター事業者、クラウドを実現するためのインフラを提供するベンダー各社が積極的に取り組んでいるのが、コストや柔軟性、導入スピードといったクラウドのメリットと、信頼性や性能、セキュリティ対策などの両立を実現することだ。クラウドソリューションを提供するサービス事業者であり、サーバやストレージなどのハードウェアベンダーでもある日立製作所(以下、日立)も、信頼性の高いクラウドサービスの提供を目指して、さまざまな技術開発を手がけてきた。

 とりわけ、クラウドを実現する中核と言える仮想化技術において、日立は業界を牽引する立場にある。サーバ仮想化の分野で、メインフレーム開発で培った仮想化技術を用いた、IAサーバにおける独自のサーバ仮想化機構「Virtage(バタージュ)」を提供している。また、ストレージ仮想化の分野でも、2004年に日立は、世界に先駆けてストレージ仮想化機能を製品に組み込み、海外含め多くの企業に導入されている。

 「ITプラットフォームの中に段階的に仮想化技術が適用されていき、それがクラウド実現につながっています。2000年頃に米国でSAN(Storage Area Network)の導入が始まり、日本でも2003年頃から急速に普及しました。2008年頃からは、サーバ仮想化の導入が本格化し、普及が進みつつあります。このサーバ仮想化の次に来るものが、ストレージ仮想化の普及であり、さらにサーバとストレージを連携させて管理の自動化・統合化が進むことで、クラウドが実現されると考えています」と、日立製作所 RAIDシステム事業部 事業企画本部 製品企画部の大枝 高 部長は話す。

業界に先駆けたストレージ仮想化製品

 サーバ仮想化技術が当たり前のように導入されるようになった現在、“次に来るもの”としてストレージ仮想化技術が注目されている。ただし、ストレージ仮想化技術は、決して最近確立された技術というわけではない。

 ストレージ仮想化技術は、大きく2つの意味を持っている。1つは、複数のストレージ(マルチベンダーの異機種)を仮想的に統合して利用するという技術。これは、ストレージデバイスの仮想化と位置付けられ、2004年9月に日立が発売した世界初のストレージ仮想化機能は、このストレージデバイスの仮想化を指している。ストレージデバイスの仮想化を利用すれば、過去に導入したストレージデバイスを無駄にすることなく利用できる。さらに、古いストレージデバイスでも、仮想化機能を持つストレージコントローラの最新機能が利用でき、大容量キャッシュによって性能が大幅に向上するなど、多くの利点がある。ちなみに現在、日立が提供するストレージデバイス仮想化機能では、最大247ペタバイトもの異機種混在ストレージのリソースを、一元的に管理できる。

 もう1つのストレージ仮想化技術は、ボリューム容量を仮想化するもの。物理的な容量に依存することなく、ストレージを利用するサーバなどのシステムへ、定義した容量で仮想ボリュームを認識させる技術だ。物理的な複数のストレージを束ね、一つの巨大なストレージプールとして扱えるようにするため、システムでは複雑なボリューム容量の設計やパフォーマンスチューニングを大幅に簡素化できるという特長がある。サーバが実際に使用する分だけ、プールから自動的に容量を割り当てるため、ストレージの容量の利用効率を最適化できる。また、複数の物理的なストレージにデータを自動的に分散配置するため、可用性も高められる。日立独自のボリューム容量仮想化機能は「Hitachi Dynamic Provisioning」と呼ばれ、2007年5月に発売された日立のストレージに搭載されている。

storage1.jpg Hitachi Dynamic Provisioningで実現する、ストレージボリューム仮想化の仕組みと効果。運用中に容量を拡張できる(計画停止が不要)であることもメリット

 さらに、ストレージデバイスの仮想化とボリューム容量の仮想化を組み合わせ、過去に導入したストレージ資産もプールに統合することができる。これにより、過去の資産も含めたストレージシステム全体の利用効率最適化を図ることができる。

仮想化のニーズはミッドレンジ市場へ

 これらのストレージ仮想化技術に加え、新しい仕組みとして注目されているのが、サーバやストレージなどのITリソース全体の管理を統合化・自動化する技術だ。この技術では、例えば仮想サーバを作成した際に自動的にストレージのボリュームを割り当てられるので、システム管理者の工数は大幅に削減できる。同様に、仮想サーバを廃棄したりデータを削除したりした際に、ストレージを自動的に解放し、リソースの使用効率を向上させられる。さらに、ストレージリソースを追加した際には、使用率に偏りがないように使用率を均一化する「自律負荷分散機能」、用途やデータの重要性に合わせて保存先のメディアを自動的に再配置する「既存データの自動再配置機能」などにより、ストレージリソース全体の性能とコストパフォーマンスも向上する。これらの機能こそ、高信頼性のクラウドを実現するために必須になるものだ。

 大枝氏によると、日立はストレージ仮想化機能を搭載したストレージを全世界で累計1万5000台以上販売してきた実績があるという。しかし、ストレージ仮想化技術はこれまで、エンタープライズ向けのハイエンドストレージ製品を中心に、実装が進んできた。日立で言えば、統合型高機能ストレージである「Hitachi Universal Storage Platform V(USP V)」がストレージ仮想化機能を搭載した代表的な製品だ。

 ところが、サーバ仮想化技術の進展と普及により、Windows®やLinux®などが稼働するIAサーバが企業システムでも多く利用されるようになると、IAサーバに適したミッドレンジ市場向けのストレージにおいても、ストレージ仮想化に対するニーズが高まってくる。そこで日立では、IAサーバに最適な分散型スケーラブルストレージAMS2000シリーズでボリューム容量の仮想化をサポートし始めている。

仮想化機能を搭載したエントリーモデル

 そして今、ストレージ仮想化機能は、ミッドレンジ市場向けのエントリーモデルにも搭載されるまでになった。それが、日立が2010年5月に発売したAMS2010だ。

storage2.jpg 日立のストレージ製品ラインアップと、AMS2010のポジショニング
baba.jpg 日立製作所 RAIDシステム事業部 販売推進本部 販売企画部 馬場 政彰 部長

 AMS2010は、Windows®およびLinux®が稼働するIAサーバ接続専用のエントリーモデルとして位置付けられているが、このクラスとしては画期的なことにボリューム容量仮想化機能(Hitachi Dynamic Provisioning)を標準搭載している。これにより、物理容量以上の論理的な容量をあらかじめサーバに割り当てることで、ボリューム容量を拡張する際にシステムを停止したり複雑な設定作業を行ったりする必要がなくなる。また、ストレージプールの負荷は、ストレージが自動的に平準化するため、事前に性能設計をする必要もない。エントリーモデルとはいえ、ダイナミックロードバランスコントローラによる自律負荷分散機能、リモートコピーやスナップショットなどディザスタリカバリ機能も搭載されている。価格も、IAサーバ向けにリーズナブルな設定(税込175万5600円から)になっている。

 「価格は抑えましたが、信頼性や機能は、従来のAMS2000シリーズの高信頼、高機能を受け継いでいます。日立のストレージはやはり高い信頼性が評価されていますので、その部分については決して手を抜かないハードウェアに仕上げました」(大枝氏)

 さらに、日立のストレージとしては初めて、製品保証期間を3年間に延長した。これにより、製品の長期にわたる安定稼働が保証されるとともに、万一障害が発生した場合も迅速にサポートが受けられるので、システムの継続運用と投資対効果向上が見込めることになる。

 「最近は使用する期間を見据え、購入時に保守費用込みで計算するユーザーが増えています。たとえ本体価格が安価でも、保守費用が高くなるとトータルコストはかさみます。そこで、保守費用を軽減するために保証期間を長くして欲しいという要望が寄せられていました。そうした声に応える形で、AMS2010を3年保証にすることにしました」と、日立製作所 RAIDシステム事業部 販売推進本部 販売企画部の馬場 政彰 部長は話す。

既存モデルも仮想化を標準サポートする形に

 AMS2010の後を追う形で、AMS2000シリーズの既存モデル「2100」「2300」「2500」についても、従来オプションとして提供してきた ボリューム容量仮想化機能(Hitachi Dynamic Provisioning)を標準搭載することになった。ちなみに、エントリーモデルのAMS2010は、ホストインタフェースのポート数(最大4ポート)、インタフェースの混在が不可(ファイバチャネルかiSCSIのどちらか一方を選択)、Windows®とLinux®の接続に限定といった部分で既存モデルと差別化されている。

 「AMS2010では、日立の販売パートナーがサーバやミドルウェア、アプリケーションなどのパッケージと組み合わせてユーザーに提供するという動きもあります。日立ではその延長線上でパートナーと一緒にセミナーを企画し、ボリューム容量仮想化機能のメリットを紹介していく予定です」(馬場氏)

 さらに日立では「ストレージよろず相談室」「ストレージコスト削減ざっくり診断」というサイトを開設し、ストレージに関する、さまざまな相談とコスト削減効果の診断を受け付ける取り組みも始めている。

 サイト開設の背景には、仮想化やクラウドの浸透に伴い、以前にも増してストレージへの注目が高まっていることが挙げられるという。特に「ストレージよろず相談室」では、「バックアップ」や「ストレージリソースの有効活用」といった切り口の悩みを持つユーザーが多いといい、将来的には、相談内容と結果をナレッジとして蓄積し、FAQ(Frequently Asked Questions)として公開することも考えているとのことだ。

 一方、「ストレージコスト削減ざっくり診断」は利用中のストレージを最新のストレージに入れ替えた場合、どのくらいのコスト削減効果があるのか概算でも良いので試算して欲しいというユーザーの要望に応えたサービスであるとのことだ。

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本企画では、記事をご覧いただいた方を対象にアンケート調査を実施しています。皆様からお寄せいただきました貴重なご意見、ご感想を、今後のより良いストレージ製品開発の参考とさせていただきます。
なお、アンケートにご回答いただいた方の中から抽選で20名様に、Amazonギフト券(5,000円分)をプレゼントいたします。ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

  • Amazonギフト券はamazon.comよりお送りいたします。当選のご連絡は商品の発送をもって代えさせていただきますので、あらかじめご了承ください。
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  • アンケートの実施は2010年8月31日までの期間となります。
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提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2010年8月31日