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» 2010年06月28日 21時18分 UPDATE

日立、JP1 V9.1発表――プライベートクラウド対応、組織の“風通し”を改善する新製品も

日立はJP1 V9.1を6月29日に販売開始する。異なる仮想化機構が混在する環境の一元管理に加え、利用部門への運用業務移譲にも踏み込んだ、特徴的なバージョンアップとなっている。

[石森将文,ITmedia]

 日立製作所(以下、日立)は6月28日、統合システム運用管理製品「JP1」を、主にプライベートクラウド環境向けにバージョンアップすると発表。「V9.1」として、6月29日に販売開始する。強化の主眼については、大きく「(仮想化された)ITリソースの効率化」と「運用部門だけでなく、利用部門を含めた運用業務の最適化」に分類される。

 前者については、仮想マシンの空きリソース検索から、そのリソースの予約、サーバの配備、そして実績確認と予約状況の把握まで、リソースプールの運用サイクル全般を一元管理できる「JP1/IT Resource Management(JP1/ITRM)」を新たに製品化し、対処する。なおこの運用サイクル全般にわたり、対象にエージェントをインストールすることなく管理できる(エージェントをインストールすればより高度な監視が可能)。

 また従来、異なるOSや仮想化機構(VMwareやHyper-V、そして日立のVirtageなど。Virtageは監視機能のみサポート。制御機能は今後対応予定)が混在する環境を管理する場合、それぞれ専用の管理ツール上でオペレーションする必要があったが、それらもJP1/ITRM上で一元管理できる。特に今回、普及が見込まれるHyper-Vについて、マイクロソフトとの協業のもと「JP1/Integrated Management - System Center Virtual Machine Manager(JP1/IM - SCVMM)」を製品化。Hyper-V単独の仮想化環境であればすぐに運用を開始できるし、規模が大きくなったり、あるいは混在環境で運用したりするのであれば、JP1/ITRMと連携させられる。

 仮想化環境で問題となりがちな“システム構成の自動検出や、構成変更による影響範囲の可視化”については、ヒューレット・パッカードとの協業(OEM)により製品化した「JP1/Integrated Management - Universal CMDB Advanced Edition」で実現する。日立ならではの味付けとして、ジョブ管理製品「JP1/Automatic Job Management System 3(JP1/AJS3)」と連携させられるアダプタ「JP1/Integrated Management - Universal CMDB Adaptor for JP1/AJS3」を併せてリリース。システム構成の変更が、予定しているバッチ業務におよぼす影響を、事前に把握できる。

組織の最適化にまで踏み込む

JP1/AJS3 - UJOによる利用部門向け画面 JP1/AJS3 - UJOによる利用部門向け画面

 ここまでは正統な機能強化と言えるが、「運用業務の最適化」を目指し新たにリリースされた「JP1/Automatic Job Management System 3 - User Job Operation(JP1/AJS3 - UJO)」は、組織間の業務分掌最適化にも踏み込んだ、特徴的な製品に仕上がっている。

 一般的なトレンドとして、社内に分散していたITリソースが(仮想化などにより)統合されることで、各部門に在籍していたシステム管理者的な人材は、情報システム部門として集約されつつある。これは業務部門からすると、これまで身近で相談に乗ってくれていた運用系の人材を失ったとも言える。今やジョブやバッチの実行は、集約後の情報システム部門により厳格にポリシー化されており、「特定部門のデータだけすぐに集計したい」とか「あるジョブの実行状況をすぐに確認したい」といった業務部門ではありがちな(そして例外的な)要望は、通すことが難しくなっているのだ。

 とはいえ情報システム部門の立場としては、個別の要望に対応し続けるのも難しい。これでは、業務部門が情報システム部門を“融通が利かない”と思ったり、情報システム部門が業務部門のことを“計画性がない”と考えたりしかねない。これではITで運用を最適化しても、効果が出ているとは言いがたい。サーバ統合や組織集約が進んでも、部門間を調整するための負担は軽減されていない(むしろ増えている)からだ。

 JP1/AJS3 - UJOでは、こういった問題の解決を図るため、運用部門があらかじめ定めた範囲のジョブ操作について、利用部門が直接操作できる環境を用意する。操作画面は、管理者向けの詳細なものではなく、(運用管理を専門としない)利用部門向けに平易なGUIを提供する。もちろん、利用部門に分掌する業務とそうでないものとは事前に区別する必要があるが、これにより各利用部門の業務都合に対応した柔軟なジョブ運用が可能になる。「運用部門と利用部門の橋渡しをし、両者の風通しを良くする製品」とも表現できるだろう。

 日立では上記のケース以外にも、「データセンター事業者が、顧客に対し、業務の実行状況をJP1/AJS3 - UJOを通じて可視化する」といった利用ケースも想定しているという。

 価格および出荷時期はこちら。7月22日、23日に東京国際フォーラムで開催される「日立 uVALUEコンベンション2010」に出展する。

関連キーワード

JP1 | 仮想化 | Hyper-V | CMDB | VMware


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