Windows 8は超高速起動、アプリストア「Windows Store」搭載のうわさ

MicrosoftはWindows 8で超高速起動やアプリストア、クラウド統合、顔認識ログイン、個人データを維持したままWindowsを実質的に再インストールするリセットボタンを計画しているようだ。

» 2010年06月30日 11時09分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは既に「Windows 8」の深い議論に入っているようだ。この数日オンラインに流出している、同社の社内スライドと称されるものからは、そうした様子がうかがえる。同社はこのスライドが本物かどうかの確認を拒んでいるが、スライドは、超高速起動やアプリをダウンロードできる「Windows Store」、クラウドとの統合強化など、次世代OSのアイデアを詳細に説明している。

 6月26日にMicrosoft JournalというWebサイトが、流出したスライドと称するものを掲載した。このスライドは2010年4月の日付が入っており、Windows 8に関する社内での議論は既にかなり進んでいるとしている。スライドには、周囲の明るさに応じて見やすさを調節するディスプレイ、超高速起動、顔認識を使ったログインなどの機能を詳しく説明している。USB 3.0やBluetooth 3.0にも言及している。

 Microsoft Journalは6月29日までに、同サイトをホスティングしていたWindows Live Spacesから消え、現在はサイトにアクセスできなくなっていると伝える画面が表示される。

 しかし、Windows 8のスライドを見たいという人は、Microsoft Kitchenブログで閲覧できる。同ブログでは29日時点でコメント付きでスライドを掲載しており、管理者は流出したデータをイタリアのWindowsファンサイト「Windowsette」から入手したことを示唆している。このスライドには、顔認識ログインなど、Microsoft Journalのスライドに載っていた機能のほか、もっと興味深い詳しい情報が載っている。

 その中で最も重要なのは「Windows 8 Prototype Machine」の画像かもしれない。わずかにカーブした筐体はAppleの製品とかなり似ている。このマシンの特徴としては、タッチスクリーン、赤外線近接センサー、DirectX GPUなどが挙げられている。ほかのスライドには、「フォームファクターの激増」と書かれ、タブレットがWindows 8の優先フォームファクターになる可能性が示唆されている。

 クラウドも主要な検討事項だ。「Windowsアカウントはクラウドに接続する」とスライドには記されており、その下に箇条書きで「PCとデバイス間のローミング設定をユーザーにひもづけられる」と書かれている。別のスライドに「接続が前提」「コンテンツ体験はパーソナル」とあることから、Microsoftは――この情報が本物であれば――Google Chrome OSなどのクラウドベース製品との競争の可能性を視野に入れて次世代OSを設計していると考えられる。

 Microsoft Kitchenがスライドと一緒に掲載した28日のエントリによると、「Microsoftは、個人データのバックアップ不要で、ユーザーのファイル、アプリケーション、設定などを維持したままWindowsを実質的に再インストールするリセットボタン機能を計画しているようだ」。ユーザーはオンラインの「Windows Store」にアクセスして、自分のマシンにアプリケーションをダウンロード(または再ダウンロード)できる。

 別のスライドには、「法人と個人の世界」の衝突がやってくることが記されている。スレート(タブレット)に加えて、ノートPCやオールインワンマシンもWindows 8のターゲットになるという。

 Microsoftの広報担当者は、Windows 8のスライドに関して、同社からコメントはないだろうとしている。

 Windows 8についてのうわさは、Windows 7がリリースされたころから流れていた。2009年11月にはMicrosoft Kitchenが、同年のProfessional Developers Conference(PDC)で披露されたものとするスライドを掲載した。このスライドによると、次期版Windows ServerとWindows 8は2012年にリリースされるようだ。

 同じころ、多数のブログやMicrosoft情報サイトが、「Microsoftの研究開発チーム上級メンバー」というロバート・モーガンなる人物のLinkedInページを発掘した。このページでは、モーガンの担当プロジェクトとして「Windows 8カーネルと128ビットアーキテクチャの互換性、Windows 9プロジェクト」が挙げられていた。だがこのページは話題になるとすぐに消えてしまった。eWEEKがコメントを求めたところ、Microsoftはロバート・モーガンが実在するかどうかの確認を拒んだ。

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