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» 2010年07月01日 14時23分 UPDATE

海外事業への投資意欲を高める国内企業

矢野経済研究所の調査によると、企業における海外へのIT投資の比率が今後高まる傾向にある。国内企業が狙いを定める市場は中国であり、海外事業への投資意欲が高まりつつある。

[藤村能光,ITmedia]

 矢野経済研究所は7月1日、企業の海外拠点へのIT投資に関する調査結果を発表した。同社は2012年度に、全IT投資に対する海外向け投資の比率が約2割になると予測しており、企業の海外事業に対する意欲が高まっていることが分かった。

 調査対象は、製造業、サービス業、流通業、金融業などの業種で海外拠点を持っている、もしくは今後海外拠点を持つと答えた139社の企業。調査は5月に実施した。

 2009年度に海外で売り上げがあった企業の海外売上比率の平均は、2009年度が20.9%だった。2012年度の平均目標値は25.8%であり、3年間で約5ポイント増を見込んでいる。

 全IT投資に占める海外への投資の比率では、2009年度実績は平均12.8%となった。2012年度の目標数値は19.5%であり、6.7ポイント増となる見通しだ。矢野経済研究所は、中期的に海外投資比率を伸ばす企業が増えており、海外事業こそ重点的に投資すべき分野だとコメントしている。

image 2009年度売り上げ実績と2012年度の海外売上目標および海外IT投資比率の平均比較。海外売上比率は全売上高に占める海外での製品・サービス販売事業の売り上げの割合、海外IT投資比率は、IT投資総額に占める海外拠点のIT投資額の割合を指す (出典:矢野経済研究所)

 今後3年間でIT投資を増加させる地域は、中国が52.8%で最多だった。東南アジアが32.1%で2位、北米、欧州がともに5.7%で3位となった。中国への投資意欲が、ほかの地域を引き離している。

image 今後3年間でもっともIT投資が増える地域。現在海外拠点を持っている、あるいは今後海外拠点を持つと答えた139社のうち、現在海外へのIT投資を行っている、もしくは今後投資の予定があると答えた企業を対象としている (出典:矢野経済研究所)

 2008年度から2009年度にIT投資を増やした地域でも、中国が39.5%でトップだった。また中国へのIT投資を減らしたという回答はなかった。一方、投資額が減少した地域としては、欧州(7.1%)、北米(6.5%)、東南アジア(2.6%)が挙がった。欧米市場の成熟や、リーマンショック後の不況が影響しているとみられる。

image 2009年度の地域別IT投資の増減(2008年度比)。現在海外拠点を持っている、あるいは今後海外拠点を持つと答えた139社のうち、現在海外へのIT投資を行っている、もしくは今後投資の予定があると答えた企業を対象としている (出典:矢野経済研究所)

 海外における投資分野を聞いたところ、ネットワークなどのインフラ、販売・在庫管理システムへの投資意欲が高かった。矢野経済研究所は、中国や新興国ではインフラの整備に課題があること、販売力を強化するためのシステム導入を検討している企業が多いことが推測されると結んでいる。

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