世界で勝つ 強い日本企業のつくり方

グローバルサイト構築 コンテンツ・デザインの作り込み世界で勝つ 強い日本企業のつくり方(2/3 ページ)

» 2010年07月06日 08時00分 公開
[大里真理子(アークコミュニケーションズ),ITmedia]

コンテンツの翻訳

 グローバルサイトのコンテンツは、どの言語でも共通かつ普遍的なコンテンツと、その地域性に沿ってカスタマイズすべきコンテンツに分かれる。前者は、会社紹介・IR・事業領域紹介などのコンテンツへの振り分けを担当するものだ。既に日本語サイトに同じコンテンツがある場合が多いため、これを翻訳することを考えればいい。

 一方、商品やサービス、採用情報、エンターテインメント関連のコンテンツは、カスタマイズが必要だ。購買意欲をかき立てたり、価値観を伝えたりするこれらのコンテンツは、ユーザーの住む地域や文化によって異なる受け取り方をされることがあるからだ。

 グローバルサイトのコンテンツを翻訳をする際に注意したいのは、ターゲットが国外在住で日本になじみのないことを配慮し、日本人の常識を見直し、補足することだ。以下、3つの事例を紹介する。

時差への配慮

 グローバルサイトに掲載するカスタマーサポートのサービス時間帯(例:平日9:00〜17:00)などは、どのゾーンの時間帯かを明記すべきだ。アジア圏が対象なら日本時間、欧州ならグリニッジ標準に合わせるといい。また日本特有の祭日は外国人に理解されない場合もあるので、詳細を追記するのが望ましい。

地名への配慮

 日本人にはなじみの深い地名でも、外国人にはそれがどこにあるかが分からない。例えばグローバルサイトに京都市のホテルのアクセスマップを掲載する場合、京都駅からの道案内に加え、外国人向けとして国際空港からの道筋も併記しておくといい。

 地名のイメージを説明として補足しておくこともお勧めだ。沖縄という地名はリゾート地域をほうふつとさせるが、外国人はイメージしにくい。その場所が日本人にとってどういう場所かについて、画像や文書で説明することが効果的だ。

省略されがちな情報への配慮

 グローバルサイトに掲載する電話番号や住所は、必ず国番号や都道府県から表記しておこう。日本人の場合、東京都千代田区の電話番号が「XXXX-XXXX」という表記から、市外局番が「03」を思い浮かべられるが、外国人は千代田区が東京にあることや日本の国番号(81)が分からない場合が多い。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ