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» 2010年07月16日 08時00分 UPDATE

悲しき女子ヘルプデスク物語:ヒトの代替はきかないのよ…… (1/3)

恒例行事の新人研修。いつもはプロの講師が来てくれるけど、緊急時にはわたしにも出番が……。やめて、ヘルプデスクだからって人前で話すのが得意なわけじゃないんだから!

[鐙貴絵,ITmedia]

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イラスト:本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ

 毎年、4月になると「わいて出てくる」人種がいる。靴もカバンも、そして就活時そのままのスーツもまぶしい、新入社員たちだ。元気に通勤してきては、元気なあいさつを投げかけてくれる(例外もあるけれど……)。う〜ん♪ 元気のあるあいさつは、気持ちがいいよね。そういえばわたしも、ン年前は新入社員だったなあ。今のわたしはといえば、ついつい日常の業務に追われてあいさつがおざなりになっている。ちょっとは見習わないとね。ほら、一応(?)先輩だし。

 それにしても、あの初々しい新入社員達は、夏ごろになるといずこへと姿を消してしまうのはなぜだろう? 初々しさって、半年も持たないのかしら……?

 わたしの会社では毎年春になると、一番大きな会議室が“研修室”へ様変わりする。もちろん、新入社員研修のためだ。PCが搬入され、研修室内だけの閉じたLANが組まれる。講師用のPCはファイルサーバやプリントサーバを兼任する(でもWindows XPだから、同時に10台までしか接続できない)。プリンターは講師用のPCに直接USB経由でつながっている。使用する教材の搬入も終わって、いよいよ新入社員研修が始まった。

 まずは、ビジネスマナーの研修から。名刺の交換や電話の受け方など、講師の元気な声が研修室の中から聞こえてくる。研修室となった会議室はわたしのオフィスから近いので、その前を通るとどうしても講師の声が聞こえて来るのよね。ああ、わたしも受けたい! わたしはヘルプデスクの中でも、社外との交流があまりない立場だから、名刺交換とか、かしこまった電話応対とか、結構新鮮なのよね。先日とっても久しぶりに名刺交換なんてものをやったけど、わたし、ちゃんとできていたのかしら?

 4月も半ばに入ると、研修の中身はIT系の内容に変わっていく。がんばれ、新入社員たちよ! と無責任にエールを送りながら日常業務にいそしんでいた、そんなある日、「プリンターから出力できない」とのヘルプコールが、研修室からかかってきた。

踏んづけられるLANケーブル

 ヘルプコールの主は、新入社員研修担当の外部講師だった。外部の方に対して電話ごしにあれこれ指示するのは抵抗がある。そこで、とりあえず研修室へ向かうわたし。研修室では新入社員たちが、その日の研修内容についてのアンケートと、業務日報を作成しプリンターから出力していた。ほとんどの新入社員はちゃんとプリントアウトできるのに、新入社員のIさんだけができないらしい。Iさんだけ、ということは、既知の「Windows XPは同時に10接続まで」という問題ではなさそうだ。

 Iさんが使っていたPCを見ると、プリントジョブがスプールされている状態。とりあえずスプールされていたジョブを消して再度印刷を試みる。ところが今度は、プリンターに接続できない、というメッセージが表示された。PCの後ろにあるLANケーブルを見ると、奥まできちんと挿入されている。ケーブルをPCから抜いて、あらためて挿しなおす。しかし状況は変わらない。最近のPCのLANコネクタには、Actランプのないものがあるが、Iさんが使っているPCもそうだった。だからPC側からは、ケーブルがちゃんと接続されているかどうか判別しにくいのだ。Iさんに聞くと、昨日まではちゃんと印刷できていたという。

 画面をよく見ると、右下のタスクトレイにLAN接続されていない、というアイコンがある。やっぱり、物理的に接続されてないらしい。

 LANケーブルが切断されたのか?

 試しに隣の席のPCからLANケーブルを抜いてIさんのPCに挿入したら印刷が開始された。やっぱり、LANケーブルが原因のようだ。

 研修室はもともと会議室であり、教室ではない。この新入社員研修のためにLANを引いたのだ。研修室のいたるところにハブがあり、LANケーブルが床を這いずり回っている。

 わたしの経験からいって、床を這いずり回るLANケーブルは、たいてい悲惨な状況にある。研修室のLANケーブルも、できる限り椅子や人間が踏んづけないよう工夫されていたが、それでも椅子の足に踏んづけられたケーブルもある。

 この時点でわたしは、今までIさんのPCに接続されていたLANケーブルが断線してしまったのだと思い込み、そのLANケーブルを撤去するために反対側の先を追いかけた。LANケーブルは、カーペットの切れ込み部分に続いている。カーペットをめくると、底上げされた床があり、ケーブルはそこに開いた穴から、床の下へと伸びている。そういえば数年前、床上げ工事をしていたっけ……。仮の床にはところどころに黒いふた状のものがある。ふたを開けるとハブがあった。今回の新入社員研修用に持ち込んだものだろう。IさんのPCから伸びたLANケーブルは、なんとハブから外れていたのだ!

 原因はこれか。IさんのPCにつながっていたLANケーブルは、ハブ側のコネクタの爪が折れていたのである。LANケーブルを慎重に挿すと、何事もなかったかのように、接続できた。でも爪が折れたままでは、いつまた抜けてもおかしくない。結局わたしはそのケーブルを撤去し、予備のケーブルと交換した。

 後日談。この時撤去した、爪が折れているケーブルはまだわたしの手元にある。実はどこの部署のものか、分からないのだ。研修の準備をした人事部に聞いても、「ウチのじゃないよ」という(そもそも、ウチのかそうじゃないのかって、分かるのかしら?)。PC やハブならともかく、ケーブルなんて誰も資産管理しないんだろうな。LANケーブルって、IT機器の中でも一番ないがしろにされている存在なんじゃないかしら。とはいえ、ケーブルがなければ有線LANにはつながらない。もっといたわってあげようよ。

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